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オヤジギャグは,認知症の3歩手前の症状のひとつ

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その1,軽度認知障害の定義

これはネットでもいくつも載っている.
この状態から認知症になるのは40%ぐらい.
元に戻るヒトも15%ぐらいいる.
残りは,死ぬまで少し,機能が落ちた状態で脳の機能が維持される.
軽度認知障害のヒトも,オヤジギャグを言うことは,まず無い.

その2.オヤジギャグの定義

なんか,広辞苑にも定義がある.あえて記載はしない.

その3.おやじはなぜ,オヤジギャグを言うのか.
「チコちゃんにしかられる」から.

「単語」に対して,左側頭葉が反応する.
それに類似した単語が,いくつも出てくる.
その側頭葉の発達は50歳がピーク.
ちょうどオヤジの年齢である.

言語機能が発達するのは,それはそれで良いこと.

前頭葉は意志,思考の中枢.
これは,12歳ぐらいから20歳ぐらいまでがピークの発達状態.
50歳には,すでに萎縮がはじまっている.

そこで,単語が奔逸してほとばしるほど出てきても,
その中で,その場で必要なことのみ具体的に発語するように前頭葉がコントロールしている.その機能が落ちてくれば,言葉のだじゃれがつい,出てしまう.
ということで,オヤジギャグが,連続的に出だすわけである.

会話の基本3原則は,
「正しいこと」を
「正しい時に」
「正しい相手に」話す.
なので,途中でオヤジギャグが入ると,すべて3原則に反する.
要は,会話ではない.

女性のおばさんギャグは出にくい.
どうも,右脳が具体的なイメージを思い浮かべるために,単語だけ似ているが別の物をベラベラ口にはしないということらしい.

要は,側頭葉の言語中枢の発達,前頭葉の萎縮というアンバランスがオヤジギャグの原因.それは次に来る状態の先行指標の印象.

この話を,聞いた時,自宅(岡山市)で真庭勝山の名物ヤマイモ,「ギンしぶき」をすり下ろして,食べていた.それ自身は味が全くしない.出汁(だし)を入れたらおいしいと説明書にある.やはり入れる量がすくないと味がしない.
そのとき,「量が少ないと,これでは,ダメダシが出るなぁ」とオヤジギャグを思いついたが,前頭葉が働いて発言しなかった自分を褒めてあげたい.

実際は,後日の飲み会で,「自分は前頭葉の力でちゃんと,オヤジギャグを思いついたけど言わなかった」と「ヒレ酒」を飲みながら,お話をした.別の参加者に,当日これなかったヒトからラインで,「ひれ」だけでも翌日持ってきてくれと,なんかすごい要望が入ってきた.ひれをサランラップにいれていたが,そのとき「メチャクチャ,ふぐもおいしいし,クシカツもうまいと,自慢してあげて.話に尾ひれをつけて,それを渡してね」とオヤジギャグをつい,言ってしまった.飲み会でアルコールが入れば,前頭葉の機能は,さらに麻痺して低下するのであろう.だから,普段ならそれほどでも無いことも,つい,しゃべってしまう.

チコちゃんの番組も,たしか飲み屋さんに取材にいって,オヤジギャグを集めていたような.

その4.認知症のヒトが同じ話ばかりする理由

前頭葉の萎縮が進めば,人間はそれで終わりではない.
次は,側頭葉が萎縮する.海馬も萎縮する.
そうなると,左の側頭葉の言語中枢の機能も低下する.
それに海馬の萎縮が重なり,「短期記憶能力」が萎縮する.
昔の記憶も,砂がこぼれて無くなるように徐々に無くなっていく.
まずは「ヒトの名前がでない」「関連のあるものが,選べない」,
さらには,「聞いたことが,よくわからない」などは,
認知症のヒトの特徴.

そうなると,どうなるか.
強烈な体験をした直後のことは覚えているが,その1か月後の事は大抵のヒトが覚えてすらいない.日常の生活を全部覚えるヒトなどいない.

残存した記憶,言葉のみが脳の中に残っている.
前頭葉はすでにコントロールが出来ない.
ということで,他にしゃべる単語が消えてしまっているので,残った言葉だけの「同じことを言う」状態が出現する.
そして,発言したこともすぐに忘れる.
さらに同じ事を,あたかも初めて言うように発言する.

相手に理解してもらおうとして「古い,特に中学生の頃などの強烈な記憶」を繰り返して話をしているわけではない.
要は,認知症のひとは,前頭葉の思考能力だけでなく,側頭葉の言語機能も落ちたための,わずかに残っている情報のみを繰り返して表出していると言うこと.

聞き上手関係なしに,最後までしゃべる理由

2020年の正月に,実母が一生懸命話をしてくれる.
今までは,合いの手を入れてあげたりして,話を先に進められるように聞いてあげていた.正月に帰省して,話を聞いてあげていたが,こちらのことは,一切聞かない.耳が遠いのではなく「言語弁別能」が低下しているので,こちらの言っている単語の意味を理解しながら,自分の話をまとめることが出来なくなっていると判明.最初から最後までメモをみながら,一生懸命話をしてくれた.今までの5倍はかかっていた.言語機能と前頭葉の思考機能の低下と言う意味でわかりやすかった.なんとか自分の意志を相手に告げれる状態は,認知症の一つ手前であろう.
これは,軽度認知症よりは重い,より認知症に近い状態.
テストをすれば,認知症に入るであろう.認知症はMMSEで21点/30点以下が定義なので,少々,点が取れても認知症にはいってしまう.要は,全く話せない完成形でなくても,定義上は認知症になっているヒトは多い.

その5.認知症のヒトは,ギャグを言わない理由

前頭葉の萎縮に続いて,言語中枢の側頭葉が萎縮した認知症になったヒトが,オヤジギャグをしゃべることは,「あり得ない」ということになる.オヤジギャグが言えている間は,認知症にはまだなっていないことを証明しているようなもの.
同じ話ばかりするのは,まだ,なんとか側頭葉が中途半端ながら活動している証拠であろう.次は,ほとんどしゃべらない.何にてしても「うんうん」とかしか返事をしない.
自分の父親も「元気にやりゆう,やりゆう」「がんばりよ」「ありがとう」の3語しかしゃべらなかったが,まわりの近所の他人は「ぼけたらいかんで」などと声をかけていた.完全な認知症なのにまわりが,わからない取り繕い反応.
そのずっとずっとまえに,自分が小学生?ぐらいの大昔に「私の彼は左利き」という歌が流行っていたが,父親は何回も「私のかれは左巻き」と言っていた.聞いたこちらは非常につらかった.多くの人がとうの昔に使っていた.なにか言ってあげないといけないとは思ったが,今みたいに認知症学会で勉強しているわけでも無いので,黙っていた.こちらが黙っていると何回も何回も繰り返すので,兄が「もう多くの人がそれは言っているで,やめてくれ」と注意したのが忘れられない.父親がまだオヤジギャグの状態だったということ.

オヤジギャグは認知症の3歩手前

結論は,オヤジギャグは,完成形認知症の3歩手前.
一歩手前は,軽症認知症.会話はぎりぎりだが,慣れた環境なら言葉は入らないので,なんとか生活ギリギリ可能.
2歩手前は,軽度認知機能障害ながら,日常生活は独立してできる.しかし,オヤジギャグはもう言えない.
3歩手前が,オヤジギャグ連発の時期.

オヤジギャグと漫才のネタは全く異なる.
また「笑点」などの,機転の利いた返し技などとも全くことなる.
笑いの文化とは別物.

オヤジギャグをまわりの環境などムシして言い出したら,一つ階段を降りたということであろう.それはそれで,本人は楽しいかもしれない.

ほんとに,チコちゃんにしかられる日が近いとも思う.

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