孤独の時代.
しかし,「孤独」には,いくつもの定義,状況がある.
「孤独感」という意味の「社会の中での孤独」と
「一人暮らし」という生活上の問題とは別の話ではある.
コミュニティは壊れつつある.
まあ,一人暮らしが今後,ドンドン増えていく.
この地方小都市にいると,日常,感じることは,
「高齢者夫婦」のみ,あるいは「高齢女性のみ」の方が多い.
あるいは「90才以上の女性とその子供(この人達も一人)」の生活者が目につく.
外来などでも,85才以上95才ぐらいまでの「独居」暮らしの女性が,
「今後も,さらに健康な一人暮らしを続けるために」脳MRIを希望してくる.
腰痛,肩こりも「頚椎MRI」を撮ると,狭窄症などは時に見つかる.
だからといって,年齢的に手術適応かどうかとなると「無理」になる.
この部分は「高齢者独居」に対する医療である.
自分の予想では,高齢者が増えるにつれて,
「認知症」「頭痛」「てんかん」が今後はドンドン増えてくる.
これは,多くの統計で間違いないがない.
しかし,その条件で,一人暮らし,孤独感があるヒトの方が
なりやすいというさらなる条件付けがされた感じ.
それらの疾患も,治療が続けられるかは「本人」よりも,
「家族」「行政」「社会的資源」などがどれだけカバーするかによる.
時に95才ぐらいまで「身体も脳もしっかりしたヒト」が存在するが,
いつまでもとは言えない.
自分の実感では,95-100才で多くの人が,高次脳機能に関しては終了.
次は,動物としての存在になる.
「食べ物」を「食べ物」と認知出来なくなると,野生の動物なら
死期がせまってきて,無意識に墓場に行ったりする.
ところで,現場で感じるだけではダメで,
脳ドック学会でも,「単身赴任は脳卒中の危険因子」との演題発表があった.
まあ,生活習慣という意味であろうが.
現在,3冊を読んで勉強中.
この本は,自分としてはものすごく,読みにくかった.
たとえが個人的な印象が強い.
「台湾のオジサンは,関西人に近いといわれてる」?など,
それなら,関西のオジサンは孤独ではないのか??
「おとこの孤独感はマリアナ海溝より深い」とか,
それは,ナイヤガラの滝壺の深さや日本海溝とはどれぐらい違うのか???
意味がかえって不鮮明になる.「非常に深い」あるいは,「簡単には改善しがたいほど深刻」などと
直接的に書いてもらわないとわかりにくい.
要は,「暗喩」「メタファー」が本意を意図通り伝えるプラス表現になっていない.
それでも,「日本のオジサンは孤独」と書いてあるだけ直接的である.