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1年半振りの学会出張

コロナ禍は世界の,そして日本の多くの活動を変えた.
学会の開催方式も大きく変わった.
自分にとって最初の影響は2020年3月の脳卒中学会だったと覚えている.
横浜開催の学会は7月末に,金沢?かどこか違うところに延期された.
しかし,コロナ禍は簡単に収まらないと判明.まだ2020年はワクチンもできていなかった.5月ぐらいの学会から「ハイブリッド」で現地での開催とそれをネットで,ウェブでみえるように,多くの学会が急激に変化を遂げた.
自分にとっては「地域格差をなくせる新しい時代が来た」と実感できた.
専門医維持するために講習を聞かないといけないが,それが働きながらでも,職場でも,真庭ベースキャンプ(アパートの別称)で夜にでも聞けるのは,「学会出張」という医師としての必須の活動を「現地にいくのは必須ではない」レベルまでに変えた.

領域講習,共通講習などは各地の地元で仕事をしながらウェブで聞くものに変わった.聞くのはそれはそれで大変.ウェブでのセミナーは,ウェビナーという名前に変わりつつある.オンラインセミナーなどと以前は呼んでいたが,簡単な単語に取って代わられるであろう.
Zoomの会議も全国レベル,それぞれの地方,県レベルの会議もなにげに行われるようになってきた.自分もIpad miniが便利と感じた.結構,マイクも声を拾うので注意が必要.
すでに今年の学会も全部がハイブリッドで,現場の講演会も時間をおいて配信されるようになっている.
ところが,11月18-20日の頭痛学会は参加費用はクレジットカードで予め払いこむ.要は,現場での密をさけるため.それは,ほぼ全部の学会が採用している.
それはそれとして,朝7時半から朝8時50分までの専門医用の資格維持のためのセミナーは「現地でないと聞けない」し,「単位がとれない」ということが記載してある.大変である.現場に行かないと単位が取れないのは1年半ぶり.
その後の11月20-23日の救急医学会総会は「講習,講演はほぼ全部,ウェブで聞けるようにした.現地参加者は出来るだけ討論に集中していただきたい.専門医維持のための講習は全部,ウェブで聞けるように手配した」という男気あふれる文言があった.それで,現地,今回は東京になるが,行くのは中止した.

長いプロローグは終了.

そんなこんなで,11月18日(木)から11月20日まで静岡市まで出張してきた.まあ,学会自体の前に,木曜日の朝9時から局麻の慢性硬膜下血腫の手術をして,外科の先生に金曜日のドレーン抜去までお願いして段取りもした.
真庭市から岡山市に帰りついたが,そのままでは,予約していた新幹線に間に合わないので,EXpress予約で1時間遅い新幹線に変更した.なんとか6時過ぎの「ひかり」に乗って静岡へ.静岡駅は「のぞみ」は止まらない.「ひかり」に座っていれば,3時間10分で到着する.22時前に静岡市に生まれて初めて降りた.予定の東横インの北口のホテルは「コロナ禍で一棟借り上げ」になっていたので,南口に行ったが,夜なので,北口と南口のどちらがメインで繁華街かわかりにくかったが,南口からは少し歩いたらすぐに「住宅地」になった.とにかくその日は,早めに寝る準備.問題は,ホテルの朝食が取れるのが朝6時半からで,セミナーの会場はJRで一駅隣の駅からおりて3分のところ,自分の少ない知識では,私鉄なら朝の便は多いが,JRは少なめであること.結果から言えば,2日間ともホテルの朝食は食べられなかった.時間がなかった.
11月19日(金)なんとか6時10分に起床してスーツとネクタイを着て朝食は食べずに7時前にはJR東海道線のホームに到達.なんと7時発の沼津行きの急行みたいなものがあるが,その次のが7時24分と電光板に乗っている.初日は遅刻かと心配していたら,そのホームライナーというのが出たとこに7時6分発の各駅停車の普通便がくる表示に変わった.隣駅までは確かに3分.そこから歩いて3分.会場の1階で予め送ってもらっていたQRコードを読み取ってもらって参加カードをもらって,6階の会場へ.そんなこんなで7時18分には会場の椅子にすわっていた.木曜日の朝から金曜日の朝までノンストップで大変だったが,なんとか金曜日の朝の7時半には間に合った.あとは,ウトウトしながらなんとか聞いた.次のシンポジウムも聞いて,ランチョンセミナーも聞いて,夕方には疲れてホテルへ.夜は簡単に焼津港あたりのサカナのお茶漬けをたべた.

朝食用のパンを駅地下で購入してホテルへ.帰る前に駅構内のロッカーの場所も確認.知らぬ間に疲労困憊で寝てしまった.しかし夜中に目が覚めて今度は眠れない.

11月19日(土)朝4時過ぎから起きていて,結局5時には荷物をまとめてサムソナイトにいれて,スーツを着てJR静岡駅へ.ロッカーに大きなカバンをいれておいて朝7時半からのセミナーに出席.目新しい内容でもなく無事終了.その後,ランチョンセミナーも個人的には興味も無く,そのまま静岡駅まで戻って,自分としてはお楽しみにしていた駿河湾でとれたサカナの海鮮丼を食べてみた.

ご飯の量は「中」でお願いしたが,多すぎた.

まあご当地グルメ?もいただいたので,すこし時間があり駅前の繁華街を歩いてみた.70万都市だけあってそれなりの都会

やはり,駅前は家康公の銅像.岡山駅の桃太郎の銅像よりもいかめしい.伊勢丹,松阪屋など立派なデパートもある.帰りの新幹線も一便早くして,無事岡山に帰ってきた.

感想:学会の現地で聞かないと単位が取れないのは不親切.あるいは学会主催者側の怠慢にも思える.時代の流れは間違い無くハイブリッド,あるいはウェブ中心に変わっていっている.もう時代は戻らないであろう.
帰って来てから,数日後には脳外科の学会の領域講習などもオンデマンドで聞ける設定になっていて,頑張って6単位分聞いた.要は6時間聞いたということ.大きな学会はお金があるためそれらが出来るのであろう.6時間分なら,今回の片道3時間10分の移動の往復時間だけですんでしまう.
もちろん,学会は単位を取るためでなく,お勉強のためにも必要.
開催地に行って,聞くことも大事とは思う.しかしホテル代,新幹線代は請求できるが,近くの駅へのJR代金などは余分の出費である.

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