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研修医のための脳外科カンファ 42回目 2019年7月30日

症例1 60才代 分水嶺梗塞

受診の一日前から「しゃべらない」とのことで独歩受診.
四肢麻痺はない.こちらの会話,質問は理解している様な.
MRIでは,左前大脳動脈と中大脳動脈の間の分水嶺梗塞,watershed infarctionとよばれるもの.病態としては,血行動態的な梗塞と呼ばれるもの.血圧が下がるとかが一番わかりやすい.MRA(MR脳血管撮影)では前大脳動脈,中大脳動脈ともに正常に見える.しかし,通常は元の血管である内頚動脈の狭窄などがある,それに血圧低下,さらには脱水などが重なれば分水嶺梗塞の完成となる.しかも発症は緩徐なことが多い.
治療は,血圧の低下を防ぐこと,脱水を防ぐこと.さらには,この場合は抗血小板剤の投与になる.この場合の診断はアテローム性脳梗塞に準じるので,抗血小板剤の治療になる.
まあ,頚動脈MRA(MR脳血管撮影),頚部血管エコーをすぐに調べることが大事.実際に,総頚動脈分岐部の壁がデコボコでした.

症例2  40才代 髄膜腫と間違ったくも膜顆粒

木材が頭に当たって脳振盪で救急搬送された.
CTで脳挫傷の可能性のある部位有り,MRIを撮ると何も無い.
前額断のMRIで,硬膜から頭蓋骨の外板を壊して海綿骨,骨髄の部分に入り込む塊がある.骨破壊されている髄膜腫を疑ったが,1 cm弱.
前額断をよく見ると,正中から2.5cmの所に左右対称に右にも左にも同じ構造物がある.造影してみるとそれなりに造影剤は入る.
答えは,おそらくだが,くも膜顆粒の大きなもの.
あるいはvenous lakeと呼ばれる静脈の拡大した部分か.
左右対称なので,くも膜顆粒の大きなものであろう.
時に遭遇するが,好発部位があるのでそれで分かる.
経過観察.本人には,入入らぬ心配をさせてしまいました.

症例3 50才代 環軸椎亜脱臼

前に提示した症例.

交通事故で,後部座席に乗っていた人.
亜脱臼と言うと軸椎先端が後方に偏位することを想定することが多い.前屈後屈での偽関節形成などが検討される.
この場合は,環椎の軸椎との関節面,C1の横突孔のそばの下関節窩とC2の上関節面がズレている.頚が横に回った状態で動かない.
筋弛緩薬を使わずにまずは徒手整復.
ある程度もどれば,後は自然に戻ることが多い.

 

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