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研修医のための脳外科カンファ 30回目 2019年3月26日

毎週続く,症例提示 もう30回目.
卒後2年目の地域研修の研修医と,今日は学生実習で医学部2年生が横に座って聞いてくれたが,全くさっぱり全然分からなかったような.そもそもMRIの画像など見たことも無かったと思う.病院の中も初めてという感じでした.

本日の症例1 80歳代 大きな皮質下および被殻出血

大きな血腫.高齢なら皮質下出血もよくある.
このヒトの問題は,被殻まで血腫は及んでいる.
CTでは,大きな血腫でniveau (ニボー),水平像,気液界面のように見える.
実際のニボーの意味は,液体とガスの境界面を言うので,
血液の赤血球と上清の成分の境界を何というのか,
とにかく,血腫全体は9×5 cm 以上あるがCTでは下半分がhighで上半分がlowに見える.
新鮮な出血であろう.
時に慢性硬膜下血腫でも上半分が黒く見えて,下半分が白く見えることがある.
開頭血腫除去術の適応でした.
皮切は7 cm ,開頭は5 cmで,なんとか取れたが最後に出血点というか,穿通枝から大量に出血.なかなか通常の吸引管では出血点が見えない.
そこで,内視鏡での血腫吸引術用の購入した「水がでて洗浄できる吸引管」を使って出血点をはっきりさせて,なんとか止血ができた.

本日の症例2 70歳代 抗血小板剤と抗凝固剤内服中の脳塞栓

今の時代は,とにかく,心房細動があればDOAC,穿通枝梗塞になればバイアスピリンと常に予防薬がお約束.
右内頚動脈閉塞で心房細動があるひとが,今度は左中大脳動脈塞栓症となって救急搬送されてきた.発症4時間で到着.
tPAの適応かどうか.
脳卒中学会でも,報告例があるが「抗凝固,抗血小板を内服していても,起きる脳梗塞をどうするか」が次の世代の問題であろう.
実際はtPAは,使わなかった.
可能性のある最大の方法は,経皮的経管的血栓回収術であろう.
ヘパリン3000から5000単位いれて,カテをいれrて,回収できれば,おそらくそれが最適な治療法だったと思う.

本日の症例3 40歳代 偶然見つかった腫瘍?
くも膜顆粒?

作業中に顔面を打撲,脳振盪.
CTでは,正中から2.5cmのところで,硬膜から頭蓋骨円蓋部にはいる腫瘍?のようなものを認めた.反対側にも同様のものが見える.
答えは非常に良く発達した,くも膜顆粒でした.
なかなか,大きかったので,迷ったが,造影してみてわかりました.

 

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