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研修医のための脳外科病棟カンファ16回目,2018年12月4日

DarkoStojanovic / Pixabay

細々と続いている「地域医療にきた研修医2年目医師のための脳外科,神経内科系の疾患のカンファレンス」

今回は,椎骨脳底動脈系の脳幹梗塞3名

それぞれに,特徴がある.そして経過もそれぞれ違う.

本日の症例1  80才代 中脳,橋 視床梗塞

もともと,車椅子に全介助で乗っても,自力で移動はしないヒト.

意識障害で発症.
右中脳,橋の梗塞.しかし,MRAでは両側椎骨動脈,脳底動脈ともに開存している.
なんとか手足がを動かしていたが,1週間後に,瞳孔不同がでて,右側散大.左は縮瞳.
MRIで,中脳,橋の脳梗塞の拡大が認められた.
昏睡状態になりました.
それでも画像上のMRAでは椎骨脳底動脈系は写っていた.
なかなかに困難でした.橋の穿通枝は,短回旋枝と長回旋枝に分かれる.
それらが両側詰まっても本幹は開存していることもあるとわかりました.
「ヒトは血管とともに老いる」と実感.

本日の症例2 60才代 男性 後頭葉 小脳梗塞

独身,一人暮らしではない.
もともとAf あり.すでにDOACも内服中.
右後頭葉と左小脳半球の梗塞.
左同名半盲,小脳失調.
椎骨脳底動脈系だが,橋,中脳は全く梗塞がない.
そういう状態なら,徐々に改善.
経胸壁のエコーでは心臓内に血栓はなかった.
しかし,経食道なら見つかったと思うが.
経食道エコーのほうが,心臓内血栓は3倍見つかる確率は上がるとされている.
そこまでしても,することは同じである.

本日の症例3 60才代 男性 中脳梗塞

独身,一人暮らし
部屋で倒れているところを,警察が頼まれて突入?して発見.
発症から1日以上経過して発見された.
社会的には,独身,あるいは一人暮らしの男性は,
ライフスタイルとして,脳卒中の危険因子である.
仕事をしているヒトはまだ,職場からの連絡などがある.
しかし,友人は,1日,2日合わなくても警察に連絡はしない.
後は,宗教的なつながりでもなんでも,
一日でも連絡が取れなければ対応,連絡してくれる人達との共生は
大事である.
社会的なことは別の話題.

左中脳の梗塞.右上下肢麻痺と左動眼神経麻痺.
嗄声もあり.
MRAでは,右椎骨動脈に狭窄あり.そこから  A to Aで血栓が流れた可能性を疑う.
この場合,加療は「抗血小板剤」が正解と思われる.
穿通枝梗塞の可能性もある.
流れが速いところは抗血小板剤.流れが遅くなるところには抗凝固剤が基本.

左の外眼筋麻痺で,左眼が内転しない.しかし直接の対光反射はある.
障害を受けた場所によるが,珍しい.

脳梗塞の範囲が特殊.その下にある椎骨動脈の著明な狭窄と,
普段見ることのない梗塞でした.

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