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研修医のための脳外科カンファ 105回目  2022年7月5日

本当に忙しかった.その理由は,母親の入院していたこと,産業医としての面接などがちょうど,夕方にはいるために,研修医のために裂ける時間がないため.
なんとかかんとか2例だけでも行った.

80歳代 多発脳出血 単麻痺

まず,脳出血では,自分の知識が最先端でなかったことを前回来た研修医に教えてもらった.脳出血の部位別の頻度は,1位が被殻,2位が視床 3位が皮質下出血、次に小脳出血、脳幹出血、他に尾状核、脳室内とある。下が杏林大学医学部脳神経外科大学のデータ。

自分は、視床出血が多いと間違えて説明。一般的に被殻40 %、視床30 %、皮質下、小脳、脳幹(橋)が10 %ずつと説明していた。
しかし、頻度がすこしづつ違う。

2015年脳卒中データバンクでは、被殻が1位、視床が2位だが、しかし、
皮質下出血が多くなっている印象。その分、被殻出血の頻度がさがり、脳幹、小脳はどちらも8%程度。まあ頻度としては、被殻30-35%、視床:25-28%、皮質下13-20%、小脳8%、脳幹8% 程度。
被殻が40%とは間違いだが、1位は間違いない。被殻と視床では視床が多いデータはどこにもないが、経年変化では被殻出血の頻度が減って皮質下出血が増えているというのが現状。
要は高血圧の管理ができだして、高血圧の影響が多い被殻部分が減少して代わりに、皮質下出血が増えた。それは高齢者が増えてきた証拠であろう。アミロイドアンギオパシーの比率が増えて来ている。高血圧は関係ない。

と言うことで、本症例は何かというと、
症状は左上肢の単麻痺。独歩受診。
MRIを撮ると、T2★では右側に3カ所出血している。非常にユニークな画像。
T2★では、low intenseの右後頭葉の2 cmの陳旧性皮質下出血。これは、やや陳旧性。
要は黒く見える。
もっとも目立つのは、右側頭葉の3.5 cmの皮質下出血、これは白く見える。要は亜急性期であろう。しかし、さらには、右前頭葉の運動領野の 2 cmの皮質下出血、これはlow,要は境界明瞭の真っ黒な出血。今回の症状は、この皮質下出血によるもの。
本人は前日から左上肢麻痺がでるまで、症状がなかったと言うが、周りの人はちょっとまえからおかしかったと発言あり。右側頭葉ではそれほど症状はでない。
CTを撮ると、今回の右前頭葉の皮質下出血ははっきりわかるが、側頭葉は血腫の周辺がぼやけている。後頭葉の出血は全くわからない。本当にお勉強になった。

90歳代 脳幹出血+くも膜下出血

これも,初めての経験であった.
これは,また今度.

105回だが,それ以前のものは下書きがあるので,それに書く.

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