細々と続いている,初期研修医地域研修のための
脳外科症例提示と説明.
個人情報の露出という倫理的な問題があるような気がする.
ということで,より一般的な,内容に変更していく方針.
まあ,誰も読んでいない感じもするが,
今は何でもネットで調べる.
しかもスマホで調べる.
結論を先にかかないと.
本日の症例1 60才代,後大脳動脈動脈瘤破裂
5日前に激しい頭痛と10分弱の意識消失.
翌日から複視,意識清明.
麻痺も無し.
近医で鎮痛剤をもらったが,
翌日にもまたもらったが,頭痛は激しい.
5日後に他院でCTを撮るも,くも膜下出血(-)で精査依頼.
複視の原因は,外転神経麻痺.
MRIではくも膜下出血はなし.
しかし,脳底動脈が急激に大きく蛇行.
それと左後大脳動脈に瘤があるようにみえる.
緊急で血管内治療ができる病院に転送となりました.
自分の解釈は脳底動脈の解離性動脈瘤が外転神経を圧迫したと思った.
転送先からの返事では,後大脳動脈の瘤が原因のような.
腰椎穿刺でも,血性髄液であったと判明.
5日間も再破裂せずに,ほんとに良かった.
自分の知識では,解離だけで神経症状が出ることがあるか不明.
痛みだけは,報告がたくさん.
P1動脈瘤破裂で外転神経麻痺がくるのか調べてから記載.
本日の症例2 被殻出血3例の比較と説明
最近の被殻出血は,少量でオペになる症例は激減している.
2週間まえから,90才代の被殻出血が入院.
その2名は,さすがにその年まで長生きしただけのことはあり,
最長でも3 cm 弱である.オペ無し.
血圧はコントロールされていた.
手術の適応基準は,被殻出血の場合 30 ml 以上とされている.
簡単な計算法は,縦,横 幅の最長をかけて,2で割ると
簡易計算できる.問題は上下の高さの計算.
今は1 cmスライスではなく5 mmスライスなので,
axial,水平断で6スライスあれば,3 cmになる.
7 mm スライスの時もある.
その時には4.2 cmとなる.
自分の簡易計算では,CTのone sliceで
最大直径が5 × 5 cm以上なら,
緊急の開頭血腫除去術あるいは,
全麻下での内視鏡での血腫除去術.
3-5 cm ×3-5 cmの間なら,内視鏡による血腫除去か
定位的血腫吸引術.
3 cm以下ならオペをしてもしなくても3か月後の予後は同じ.
同じならしない方が「安全で正しい治療法」になる.
最後の1例は,40才代で,血圧未治療で180以上あったヒトが飲酒して出血.
オペになりました.
いつも説明する内容に,
「高血圧のヒトが飲酒すると,
正常のヒトと比べて余計に血圧があがります.」
ということで,宴会で出血して救急搬送されてきたヒトは,
必ず,ものすごく血圧が高い.250ぐらいのヒトは結構存在している.