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地域医療研修医のための脳外科病棟カンファ6回目,2018年9月18日

DarkoStojanovic / Pixabay

これは,症例がどんどん来るので大変

9月18日(火曜日)は,症例を3例出しました.
なんか,そのとき記録しないとしゃべりまくった内容も忘れました.

本日の症例1:    50才代,横静脈洞部硬膜動静脈瘻

この人は,症状が全くない.
数年前,他の疾患の精査目的で脳のMRI も撮っている.
そのときは,異常なしだったらしい.
今回は,全く関係なしで脳ドックを受診.
これは,偶然,見つかった.
右のSTA(浅側頭動脈),OA(後頭動脈)が非常によく発達している.
というか,よく見ると右の横静脈洞からS状静脈洞が写っている.
さらには,静脈洞にはいっている他の小さなsinus, 脳表の静脈まで逆流している.
よく見ると,後頭動脈から後頭蓋窩の硬膜を介して,横静脈洞に流入している.
要は,横静脈洞・S状静脈洞部の動静脈瘻と判明.
耳鳴りも,頭重感もない.
まあ,もとの疾患の治療をした病院へ紹介であるが,
その前にCTAをさせてもらった.
表皮の血管も発達,硬膜の血管も発達.
そして静脈銅に直接流入.
まあ,血管内治療の適応でしょう.

本日の症例2:60歳代 脳梗塞後の症候性てんかん

この症例のオチというか,特徴は最後に.
元は左脳梗塞あり.施設では自立.歩行もできる.
以前は,その脳梗塞の影響で「症候性てんかん」での入院歴がある.
その時は,右上肢の間代性けいれんだった.
そして「共同偏視」はなかったと以前のサマリーに書いてある.
けいれんが起きたと救急搬送されてきた.
救急外来でみると,右への共同偏視がある.それが続く.
一般的なけいれん重積のへの治療をしても,翌日もそれは続いていた.
来院時のCTでは,新しい病変なし.
症候性てんかんがぶり返したなら,共同偏視はないはず.
翌日,少しおちついたところで,MRIを撮ってみた.
なんと,左後頭葉に新しい脳梗塞がポツポツと出来ていた.
前回入院時のサマリーの記載から,しつこくMRIを撮って新しい病変を見つけて
その脳梗塞の治療もして,痙攣も停まった.

しつこい性格でないと,うまくいかなかった症例.

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