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研修医のための脳外科カンファ 74回目  2020年11月17日

毎週火曜日にしている予定だが,11月は3日が祝日.10日は患者搬送に同乗と全く出来てなかったので,11月17日はなんとか時間を作ってしてみた.

1)90歳代 心原性左中大脳動脈塞栓
tPA使用

最近は,高齢者でのtPA適応例もきだした.
研修医用の説明として,最初は発症して3時間以内.
次は4.5時間以内.
さらに,今は発症時間不明例では,diffusion/FLAIR ミスマッチなら,
「tPA使用を考慮しても良い」となっている.
そのような「文言」がある.
また75才以上は慎重投与となっている.
症状は,右上下肢麻痺,心房細動あり.
MRIでは左中大脳動脈の起始部で塞栓.
背景は膀胱炎からの脱水.
それで心房内に血栓が出来て飛んできた.
まあ,超高齢で発症からの時間は不明だが,diffusion/FLAIR ミスマッチがあるため,
超高齢でもあるが,他の条件もなんとか可能な程度.
tPAを使用してみた.
なんと,翌日,左MCAは再開通していた.しかも右上下肢は動き出した.
今までの中で,一晩,高齢の適応例だった.
まあ,全身管理など含めて研修医に説明するには良い症例でした.

2)80歳台 下垂体腺腫

高齢者で,9年前に経鼻手術を受けた人が,視力低下を訴えて受診.
一回目は9年前で,硬すぎて取り切れ無かった.
問題は,さらに大きくなった場合,開頭で取るかという説明は,最初の時に拒否したような.一回目の時にはすでに左目の視力は失明.
今回は右目の視力低下,視野障害.
4cmはある.経鼻でもう一度手術しても,まず硬くて無理な気がする.
サイバーナイフ加療の場合,視神経には8 Gyほどあたると障害がでる.
4cm×3.5cmぐらいの硬い塊にサイバーナイフを当てるとき,周辺にへばりついた視神経に障害が出ないように当てられるかどうかが問題であろう.
80才台半ばでどうするか,なかなか大変な症例.
非分泌性下垂体腺腫なので,薬も効かない.
結果がわかればまた提示を.

3)80才台 慢性硬膜下血腫の中に急性硬膜下血腫

転倒したのでCTを取ると,highに見える.
急性硬膜下血腫として紹介されてきた.
しかし,今回転倒して,急性硬膜下血腫になった画像と.1 cmぐらいの厚さの慢性硬膜下血腫の中に,被膜から出血かどうかという画像の鑑別診断.
前額断でも水平断でもわかるが,high denseの部分がシルビウス裂の中に入っていない.あるいは脳表のくも膜下腔に入っていない.要は脳表に一つ境界があって,highの血腫の部分が脳表にへばりついていない.
本人が意識清明,超高齢でもあり,受診したが,一旦独歩退院となった.
まあ点滴に止血剤,さらにはアドナ,五苓散を処方した.

4) 30才台 AVMの出血,症候てんかん

非常に変わった経過.これは以前も説明したかも.
転倒時,単純CTでは頭頂部の微妙な石灰化.
MRIを撮ると,AVMと判明.
大きさは3cm以下.
右頭頂部でeloquent areaでもない.
drainerも脳表だけなので,Spetzlerの分類でも1点程度.
出血の画像ではない.
と言うことで最初にサイバーナイフを当てた.
問題は,その後,
一般にサイバーナイフを当てて,AVMが消失する確率は,2年で90%,
3年で95%程度である.
問題はAVMからの年間の出血率はサイバーナイフを当てても当てなくても同じというデータがある.さらに最近は,AVMは手術をしたり血管内治療で塞栓したりするより,自然経過を見た方が生涯の予後が良いなどのデータも出だした.

この人は,先にドレーナーが閉塞して,ドレーナーの拡大と漏出性出血を来たした.
そのときは頭痛で独歩受診.
脳出血は2 cmもない.
サイバーナイフを当てた後,脳出血になった症例は自分自身は記憶にはない.
報告はたくさんある.

結局,開頭AVM摘出術施行.
最初から,AVMを開頭摘出術をして,切除したほうが良かったか.
手術の時は,先に脳出血になっていたほうが,剥離面がはっきりするので手術は少しでもやりやすいなどの意見もある.

その後は,抗てんかん剤を術後は内服.それまでてんかん発作に一度もない.
術後もなかった.と言うことで半年で「抗てんかん薬」は中止になった.

その2日後に,全身痙攣で救急搬送されてきた.
なかなかに興味深い経過であった.

5) 80才台 皮質下出血,上腕骨骨折

高齢者は皮質下出血が多い.最近は,交通事故を起こした原因が実は脳出血ということが2例あった.今回は,左脳出血で右麻痺.右麻痺で右に倒れて,右上腕骨骨折で救急搬送された.普通に脳出血単独ということはない.
問題は,骨折の手術をしないといけないが,脳圧が亢進している状態では出来ないと麻酔科の意見.
皮質下出血は,全身麻酔がかかるのなら,最初から最後まで2時間かかることは,まずない.それなら先に脳外科が手術して,そのまま,次に整形外科が手術をすれば良いと判断して連続で手術をした.脳外科としては,それほど困難な手術ではない.

6)30才台 脳脊髄液減少症

これは,前回提出した.

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