サイトアイコン Youは何しに真庭へ

地域医療研修医のための脳外科病棟カンファ4回目,2018年9月4日

DarkoStojanovic / Pixabay

4回目と5回目が逆になりました.

今月も新しい地域医療研修の2年目の研修医の先生が来てくれたので,
火曜日の16時半から説明

興味深い症例はたくさんある.
時間は30分で,10分で1例ずつ提示.
のつもりが,結構,複雑な症例で,時間がなかっった.

症例 8  60歳代 ヘルペス脳炎からの

ヘルペス脳炎は,ヘルペス髄膜炎,口唇ヘルペスなどとはだいぶ異なる.
そもそも,「第5種脳炎」で保健所に届けないといけない.
ヘルペス脳炎になったヒトから,空気感染,飛沫感染はしない理屈.
普段は三叉神経節にDNAの形で平和的共存状態.
それが何らかのことで発動して,軸索を通って,ターゲットの細胞に到達して,その細胞を破壊する.要は,血液中にも呼吸器系統にもウィルスはいない.
頻度は100万人に2-4人.潜伏期は6日ぐらい.
発熱.
その後,異常行動,見当識障害,記銘力障害,病態失認など.
外来に独歩受診.何か不明だが,違和感を感じる.
MRIを撮ると両側の海馬,島,側頭葉内側が
diffusion強調画像でもFLAIRでも,highにみえる.
あっという間に,アラームが鳴った印象.
「これは,ヘルペス脳炎」と判明.
急いで,腰椎穿刺.
細胞数などは,髄膜炎と同様の変化,
急いでアシクロビンを10mg/kg開始.
ガイドラインでは「初診から治療開始まで6時間以内」と書いてある.
その際,ヘルペスウィルスのDNA PCRを出していなかったので,
翌日には,もう一度腰椎穿刺をして,検査に提出.
しかし,前日のことは,全く記憶していない.
さらに,2週間後に効果がないときは,
「アラセナ」の点滴がある.普通の病院には置いていない.
取り寄せになる.
予後は,あまりよくない.
死亡率は10-15%.
後遺症は「記憶障害」「行動異常」が多い.

症例 9  90歳代  中心性脊髄損傷

これは,既出.入院中だったので,別の研修医の先生方なので,
説明.
長期予後はどうか.
最初の症状から,予測はつくかなど説明.
大体が,3ヶ月後の予後で,
家庭内介護が20%,施設内介護が10%ぐらい.
残りは,社会自立30%,家庭内自立40%.
最初の状態が予後を決めるのはよくわかりました.

 

モバイルバージョンを終了