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研修医のための脳外科カンファ 27回目 2019年3月5日

用事が毎日,入っているが,平日別荘(アパートの別称)でもこの文章を書いている.立位と座位で腰の痛みを取りながら書いている.

今回は,自分が研究会で2演題を出したので,そちらに力を取られて,
あまり学問的な症例は提示できていない.

本日の症例1  30才代 Fisherかギランバレーか

二日前から「右目でみたらぼやけて二つに見える」とのこと.
内科受診.次に脳外科に紹介された.右瞳孔の対光反射が非常に遅い.
左は普通.眼科に紹介.目は問題なし.
四肢の先がしびれる.舌の
神経内科で腰椎穿刺して通常の検査では細胞数も蛋白も異常なし.
翌日には,両側瞳孔散大.
さらに次の日には,開眼できない.羞明著明.
まあ,以前も30才代のヒトが
「目が見えにくい.次の日はしゃべりにくい.歩きにくい」ということで,
紹介先で,ガングリオシド GQ1b IgG抗体が陽性でFisher症候群のヒトがいた.
軽症なら3週間ぐらいで徐々に症状は改善するが,重症はレスピレーターをつけないと行けないぐらいになり,改善しても歩行困難など後遺症も結構残る.

この方は別の専門病院に紹介.
翌日に聞くと,すでに「血液浄化療法」を転送した当日から開始していた.

本日の症例2  70才代 多発ラクナ梗塞

この疾患も,以前にでてきた.最近は多い.
右内包の小さなラクナ梗塞.
その前方外側には以前の小さなラクナ梗塞の瘢痕がある.
反対側にもある.
症状は,多発微小梗塞に特徴的な,パーキンソン症候群,
小声,ギクシャクした動き,軽度の認知機能低下,記銘力低下など特徴的.
今回も,エダラボン,オザグレルとリハビリとなりましたが段々と症状は悪化していく.

本日の症例3 10代,30代,40才代,脳脊髄液減少症

そもそも,カンファレンスと言っても自分がしゃべりまくるものなので,
地域研修に来て,春になれば丸1年がたとうとしている初期研修医の先生2名に聞いても,
「脳脊髄液減少症」の名前は一切知りませんでした.
その答えは「国家試験にでたことが無いから」です.
医学生にとってドンドン必要な知識は増えていきます.
しかし,正常圧水頭症は医師の国試にはでたものの「脳脊髄液減少症」は,まだ出ていない.
硬膜外自家血注入療法は,保険診療に2016年(平成28年年)に認められた.
ということで,診断も治療も保険診療で出来ることになった.
しかし,医学部の学生が勉強するには,敷居が高く知識,技術,理解力などが問われる.
ということで,症例としては提示して「症状」「診断法」「治療法」を説明はしました.

 

 

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