出来るときにしておこう.
7月2日(木)にしました.
症例1 90歳台 トルソー症候群
一か月前から嘔気.順番に調べて消化器の癌があると判明.
画像,年齢などからは積極的な治療は困難.
さらに急に意識低下,戻ったと思えば左上下肢麻痺.
MRIで多発脳塞栓,合計40個以上.
非常に小さなものが両側,小脳にもあり.
脱水によるものか,心原性か.
状況としては,トルソー症候群が一番わかりやすい.
癌細胞はムチン,サイトカイン,組織因子など自分に都合の良い物質を
産生する.
そうなると,その塊が出来て,流れていくと多発脳塞栓になる.
担癌患者の脳梗塞のうち1/4がトルソー症候群と言われている.
自分の覚え間違いは,ターミナルになれば,癌患者の4人に一人が
トルソーになると思っていた.
そこまで脳梗塞は多くない.
ポイントは,抗凝固療法をすること.
自分は抗血小板療法かと思っていたが,文献は全部抗凝固療法でした.
症例2 30歳台 oligodendroglioma
痙攣で発症.
CTでは石灰化を含む病変,
造影はほとんどされない
画像所見は特徴的,
前頭葉の先端にあれば,全摘術を試みるが前頭葉のまんなかぐらいに主座があり
脳梁を介して反対側に及んでいる.
そうなると手術で全部取るという手段は無くなる.
次は,化学療法か放射線加療.
純粋にオリゴなら遺伝子の19番を調べて,
化学療法が効くかなど分析をするであろう.
Nadirと言う状態がある.自分はナディアと発音していたが,
3-4週目に白血球,血小板が減少する.
白血球に関してはG-CSFの注射がある.
血小板減少には輸血しか今はない.
血小板の寿命は4日と自分は覚えていた.
なかなか大変.
症例3 60歳台 脳出血 高血圧未治療
来院時血圧260/120ぐらい.
左脳の脳出血だが,独歩受診.
降圧剤を4剤開始.
これは以前に説明した症例.
他にも,30才代,脳幹出血 高血圧未治療例も提示.
実際問題,「血圧」というものに人類が気が付いたのは,100年ぐらい前.
降圧剤の開発もこの60年ぐらいの間.
人類の歴史の中では,非常に短いもの.
この症例を説明した時のカンファは下記のもの.
https://maniwa.info/2020/06/18/%e7%a0%94%e4%bf%ae%e5%8c%bb%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e8%84%b3%e5%a4%96%e7%a7%91%e3%82%ab%e3%83%b3%e3%83%95%e3%82%a1-62%e5%9b%9e%e7%9b%ae-2020%e5%b9%b45%e6%9c%8826%e6%97%a5/