忙しくて,なかなか記載が出来ない.
まあ,一月に2回はしているが,なかなか.
症例1 10代 海馬硬化
夜間の典型的なてんかん発作.
うなり声,全身けいれん.その後の意識低下.頭痛
自分も,勉強不足だが,海馬が前額断,FLAIRでhighにみえる.
これが海馬硬化とよばれるもの.
抗てんかん薬が効かないと部分海馬摘出術がある.
「難治性」の定義があるが,2剤でコントロール困難なヒト.
2剤でコントロール出来ないヒトに対して3剤でさらにコントロールが可能になるヒトは10%程度しかないと統計あり.
まあ,「海馬硬化」の硬化はなにかはまた記載します.
マニアックな内容になるので,また今度.
症例2 30代 脳脊髄液減少症
これは,何回も提示してきた疾患.
前日ゴルフの打ちっ放しで150発ぐらい打った.
翌日朝9時過ぎ仕事中に,起立性頭痛で発症.
特徴は,発症4日目に当院に紹介されてきたが,
それまですでに4個の病院で,別の疾患と診断.
いつものこと.自分の開発した検査で漏出部位も判明.
Th1/2からの漏出.胸椎上部からの硬膜外自己血注入が一番困難.
症例3 60才代前半 脳室内出血
動脈硬化の危険因子.
高血圧,糖尿病,飲酒,喫煙などたくさんあるが,それを全部持つヒト.
すでに心臓にも心筋梗塞でステント留置あり.
この人が,数日前からの非常に強い頭痛で独歩受診.
MRI,CTで脳室内出血,一側だけの側脳室内に血腫がある.
ものすごく痛かったのが,途中で楽になっては来たとのこと.
経過からは,水頭症になりかけて脳圧亢進から流れ出して改善.
まあ,動脈硬化のサロゲートマーカーという言葉があるが,
「サロゲート」は「代理」「代償」などの意味.
「頚部動脈の超音波検査」
あるいは「ABI」の検査がある.
ABIは「AnKle-Brachial Index」(日本語では「足関節上腕血圧比」である.
この理屈は,横になって,四肢の先に血圧計をまく.
それを同時に膨らませて血圧を測定する.
一般に仰臥位なら,足の血圧のほうが2割は高い.
それは心臓からの距離が遠いので,血圧が高くないと血液が心臓まで帰ってこないため.
足関節の血圧÷上腕の血圧=1.2ぐらいが正常.
ちなみにキリンの首の血圧は上に向いているときは400mmHgぐらいで,下に首を向けているときは,240 mm Hgまで下がるような.
下肢の血管に動脈硬化が起きたときには,血圧が伝わらない.
それで下肢の血圧のほうが低めにでる.
足関節の血圧÷上腕の血圧=0.9などになると,これは「動脈硬化が進んでいる」ことの証明になる.ABIは主に「下肢の動脈硬化を調べる検査」となる.
頚動脈エコーは「動脈硬化のサロゲートマーカー」と言われている.
頚動脈のIMTというか動脈壁の肥厚がどれだけあるか.
頚動脈,下肢の動脈が動脈硬化があるなら,「脳の血管も動脈硬化があるだろう」と
言うお話.