脳外研修医カンファ

研修医のための脳外科カンファ 56回目 2019年12月20日

症例1. 30代 AVMにサイバーナイフで出血

ほぼ,偶然見つかった右頭頂部のAVM 3cmぐらい.
Spetzlerの分類では,大きさからしたら,3-5cmで1点,
ドレーナーは脳表 0 点
eloquent areaでも無いので 0点
このeloquent は「雄弁な」と言う意味で,麻痺,失語,
視野障害など,障害を受けると重大な症状を出す部位.
全部で11カ所だったはず.
今回は,もし周囲を傷つけても障害がでない部位であった.
頭痛のみ.
大きさからしたら,手術の適応にも思えるが,意外と脳表から脳室近くまで伸びている.
結局サイバーナイフになっている.
サイバーナイフを当てて4.5ヶ月でフォローアップMRI を撮ると,なんと出血している.
2週間前から頭痛,嘔気があったとのこと.
一時,話題になっていたが,放射線治療をしたら出血しやすいかという観点から論文がたくさんあった.その当時の結論は,自然経過による出血と定位放射線治療をした後の経過では出血率には変わりがないというものであった.
今回のケースは,閉塞していく途中で流出路側が先に詰まってうっ血して出血したものであろう.血腫自体は少量なのでなんとか経過観察ですみそう.

基本知識として「サイバーナイフ」を当てたら動静脈奇形が消える理由.
自分の知識では放射線で血管内皮細胞が肥大する.
AVMのnidusの部分は細い血管の塊なので,血管腔が閉鎖されていく.
それで,段々血流が低下し閉塞していく.
海綿状血管腫には効かない理由は,血管径が大きいので内皮細胞が肥大しても,
血管腔が閉鎖しないためと言われている.

そんな知識があれば,今回の漏出性レベルの出血をみても,これ以上,爆発的に出血するということはあまり心配しなくても良いとわかる.勿論 例外もあるがすでに2週間は経過している.

症例2. 60歳代 慢性硬膜下血腫  てんかん持ち

慢性硬膜下血腫としては,特に変わった経過はない.
転倒して2ヶ月後に慢性硬膜下血腫.オペして5日で退院.
変わった点は,若い時からてんかん持ちで,テグレトールを700 mg/day内服していたこと.それでもてんかん発作はコントロールできていない.
わかるのは時代背景.以前は,部分発作ならテグレトール,全般発作ならデパケンぐらいの分類しかなかった.
今なら多くの抗てんかん薬が使える.
だからといって,慢性硬膜下血腫のオペだけして,
長年の処方を変えるのは,やや介入しすぎと判断してそのまま退院となりました.

症例3       60歳代 mobile plaque

これは途中.

 

症例4  50歳代 未破裂多発脳梗塞

未破裂脳動脈瘤に関しては,ほぼ,統計が全部出そろった感じ.
すでに危険因子も多く出そろった.
これは途中.

関連記事

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください