看護学科での脳外科授業内容

過去問その3

過去問をみると、だいぶ簡略化している。途中から脳外科は全体の試験の1/3になったため。2020年からは、ほぼほぼ半分に減っている。
過去の資料をみても、どれがどれやらわからない。
文章を書いておく。

脳と脊髄を中枢神経と呼ぶ.末梢神経には12個の脳神経31対の脊髄神経がある.

頭蓋骨と脳実質の間には3層の膜がある.外側から硬膜,クモ膜,軟膜とある.脳脊髄液はクモ膜の下に満たされている.

12の脳神経は、以下の通り。
嗅神経,視神経,動眼神経,滑車神経,三叉神経,外転神経,顔面神経,聴神経,舌因神経,迷走神経,副神経,舌下神経

目を閉じる神経は顔面神経
目を開ける神経は動眼神経
顔の感覚の神経は三叉神経
ベロを前に出す神経は舌下神経
診察時に大事な,対光反射は視神経で光を感じて、動眼神経縮瞳する.これは、脳幹の中の中脳レベルの反射を見ている。
睫毛あるいは角膜反射は三叉神経で感じて,顔面神経で目を閉じる.これは脳幹の中の中脳より一段下のレベルの反射をみている。
嘔吐反射は,のどの奥の知覚は舌因神経,オエッと吐くのは迷走神経。これは脳幹の中の延髄レベルの反射をみている。

意識レベル
Japan Coma Scaleは一桁,二桁,三桁と段階をわけた日本での意識レベルの見方。一桁は,なにもしなくても目を開けている.「見当識がある」とは,時,場所,人の3種類について無意識にわかっていることを言う。
人間は、自分自身のことはよくわかっている。次は周囲の状況についてわかっているのが大事。それを見当識があると言う。
一桁の場合、一番軽いのは、0点で清明。1点はいまひとつはっきりしない。次が2点の見当識障害、失見当識障害の状態である。さらに低い3点は、自分自身のことがわからない。自分の生年月日、名前がわからない。自分の名前は幼小の頃から覚えているので自分の名前がでないとなるとだいぶ、意識低下状態である。認知症の場合は、また別である。

二桁は、刺激を与えたら目を開ける.
三桁は刺激を与えても目を開けない
問題点は動眼神経麻痺などでは開眼自体ができない。そのときは別の見方が大事である。
刺激は、程度により、軽くは、通常の声を声をかける.次は大声で声をかけながら揺さぶる,さらには痛み刺激を与えるの3つのレベルにわけている。

意識レベルはそれまでは全部状態を記述することになっていた。1974年にできたグラスゴーコーマスケールは,意識レベルを3個の要素に分けてそれぞれを点数化することにした。
その要素は開眼,会話,運動の3系統である。
頭部外傷
頭部に物が当たって,当たった側に脳挫傷などができるのを直撃,あるいは直接損傷とよび,反対側の脳に脳挫傷ができたりするのを対側損傷と呼ぶ.右頭部を打って左側頭部に脳挫傷ができたり、上から頭頂部を打って前頭葉の底面に血腫ができたりする。上を打って下に脳挫傷などもある。

頭部外傷で生じる疾患としては、大半が脳振盪である。頭皮下血腫もいわゆる皮下血腫、腱膜下血腫、骨膜下血腫などに分かれる。
頭蓋骨骨折も、線状骨折、陥没骨折など多彩。
骨の内側の外傷なら、急性硬膜外血腫,急性硬膜下血腫,慢性硬膜下血腫など。
脳自体の損傷なら、脳挫傷,びまん性軸索損傷など。他には脳表の外傷性くも膜下出血など.

80才の男性が尻餅をついて転んで,頭を軽く打った.その2ヶ月後,なんとなく理解力がおちて,右足の動きが悪く,右に転倒しそうになる.CTをとってみると,骨と脳の間に血液がたまっていた.考えられる病名は慢性硬膜下血腫で、CTでは本人の左側に貯まっている。手術は局麻下で穿頭洗浄術で、たまっている血腫液を排液すること。血腫被膜内での手術なので、安全で利益の大きな手術だが10%には再貯留する。

脳血管障害
脳卒中は,おおまかに3種類あり、50年前とくらべて頻度は変わっている。
1位の70-80%を占めるのは脳梗塞で血管が詰まるもの。
2位の頻度20%のものは脳出血
3位10%弱はくも膜下出血、脳動脈瘤破裂によるものが大半。
脳出血も高血圧性の出血の比率は徐々に低下している。
頻度順では、被殻(ひかく)、視床(ししょう)、次は皮質下出血でこれは血圧があまり関係なく高齢者のアミロイド血管障害に多い。これが徐々に増えている。後は小脳出血、脳幹出血、さらにまれには脳室内出血、基底核頭部出血などあり。

「動脈瘤の破裂によるくも膜下出血」は病名が二つある。
ひとつは「脳動脈瘤の破裂」ともう一つは「くも膜下出血」
破裂した脳動脈の患者さんは、再破裂したら半数は当日に死亡するので、再破裂予防の手術が最優先。
再破裂しないようにするには、開頭による動脈瘤ネッククリッピング術か、
血管内治療によるコイル塞栓術の二つがある.その後に、くも膜下出血に対する治療を行う。破裂して,4-14日目に起きる病態は脳血管攣縮と呼ぶ.それで脳梗塞になる患者さんがいる.血管が持続的に収縮するので、血管拡張剤の全身投与と収縮した部位を血管内治療でバルーンで膨らましたり、薬を動脈注射したりする。
くも膜下出血した症例の15%程度に,1ヶ月あたり後に正常圧水頭症 (交通性水頭症)と呼ぶ病態になることがある。これは脳脊髄液を吸収する部位が血液である程度ふさがるために、脳脊髄液が貯まっていって起きるもの。

脳血管障害の中の,一過性脳虚血発作は、一側の麻痺,失語などの症状が短時間,長く24時間以内にまた元に戻る.細い血管に微小血栓ができて,一時的に血流が低下,それが溶解して血流がもどると症状も戻る.放置すると3-5人に一人が完全な脳梗塞になる.

脳梗塞には,発症原因別に分類すると,血栓性,血行動態性、塞栓性などのいくつかの原因にわかれる。高齢者は心房細動が起きて、心房内に血栓ができて、それが脳の血管にながれていくと「心原性脳塞栓」となる。

脳腫瘍は,脳自体の細胞からの原発性と他の部位の癌からの転移性脳腫瘍にわかれる.原発性の脳腫瘍は神経膠腫,髄膜腫,下垂体腺腫,聴神経鞘腫、頭蓋咽頭腫などがある.転移性脳腫瘍で一番多いのは、肺癌、次は乳癌である。

徐々に脳圧が亢進してくるときの症状は、頭痛,特に脳圧のあがる早朝に多い頭痛。次は嘔吐である。眼底は脳圧が上がることによって、静脈還流がうっ血して、視神経乳頭がうっ血乳頭と呼ばれる状態になっている。

下垂体はホルモンの中枢.ここで作られるホルモンは、成長ホルモン,プロラクチン,甲状腺刺激ホルモン,副腎皮質刺激ホルモン,卵胞刺激ホルモン,黄体刺激ホルモン 抗利尿ホルモン,オキシトシンなどである。

脳出血、脳腫瘍などが大きく脳を圧排していくと、脳の灌流が低下して、うっ血してさらに病変周囲が腫れる。そうなるとさらに動脈は入ってきても静脈側は出て行かないなどさらに腫れる。側頭葉内側などがテントと脳幹の間に入り込む、入り込むことを「嵌頓」英語ではヘルニアと呼ぶ。テント切痕ヘルニアの時は,ヘルニアと同側の瞳孔は散大して,反対側の手足は麻痺する.これは非常に危険な徴候であり、手術で骨をのける外減圧や、病変を取り除く緊急手術などを必要とする。さらに進行すれば呼吸が止まる。
小脳扁桃ヘルニアでは,呼吸が止まるので,早急な対策が必要。

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