医療関係

認知症学会 札幌 2018 まとめ

これは備忘録になる.
2018年10月12,13日に札幌であった認知症学会に出てお勉強した.

認知症の薬物療法は,今のところ停滞気味.
ならないようにするには,喫煙で5%,糖尿病で4%とか,
発症率を下げる.しかし,最終的に発症を下げるのは
「運動」だけであろうとの今のところの結論.

ということで,認知症それ自体に対するプロジェクトもたくさんあるが,
周辺症状ならコントロール出来る感じの講演,発表が多かった.

列挙しておく.
症状が変動するのは,レビ-小体型認知症でもでるが,譫妄に似ている.
認知症のヒトの66-89%が譫妄を発症する.
入院時に認知症かどうかを鑑別する点
1)入院の理由が分からない.
2)部屋が覚えられない.
3)検査から戻れない.
4)薬を大量に持参している.
家族からの聴取:
最初に気付く点は,
「同じ事を聞く」
「物の名前が出ない」
早い段階で譫妄に気付くには,注意すべき点
1)準備因子:高齢(70才以上),認知症,脳梗塞,脳挫傷
2)身体,薬(ガスターで譫妄起きやすい),手術
3)誘発促進因子
対策:余分な薬をへらしておく.
例)PPIに変更しておく.
予防的に不眠のコントロールをしておく.
BZ系は出さないようにしておく.
マイスリー,レンドルミンは中止へ.
ロゼレム,ベルソムラは譫妄を起こしにくいが,
効果が出るまでに1週間かかる.

トラゾロン(レスリン)を処方する.中等度譫妄にもちいる.
抗うつ薬だが,抗うつ作用はない.
半減期が短い.

肝胆膵の手術前に家族に聞くと,家族の83%は譫妄を知らない.
あらかじめの説明が大事.
「一定の期間,意識が混乱」
譫妄のパンフレットはPDFに落とせる由.

他の知識は,
アルツハイマー型認知症の10%にはてんかん発作を合併する.
統計を取ると,数字は別れるが大体10%前後に集約するそうな.

動物モデルのお話:
血管を半分に狭窄させて,血流低下モデルを作る.
遊び道具を24時間いれておくよりも,3時間だけいれて
遊ばすマウスのほうが,細胞損傷の程度が低いとのこと.
これは,「一日中遊んでも良い」よりは
「3時間だけ遊んで良い」ほうが,気合いがはいって
脳が活性化するような感じなのか?
人間のビンスワンガー病(1894年)は,血管病変,
髄鞘,線維自体が減少.
原因は「びまん性低灌流」である.
その動物モデルの様な.

血管性認知症は有病率1-5%.一般的には3%と書いてある.
これは,全人口の3%なのか,認知症の3%なのか不明.

血管障害の1年以内に2,3割がパーキンソン症候群になる.
意欲,歩行低下,尿失禁などがでる.

微小血管病変
麻痺,痙攣などのエピソードがない.
症状は「抑うつ,アパシー,歩行障害,易転倒,
排尿障害,嚥下障害」などが起きる.

CSS(Cortical superficial siderosis)も危険因子.
脳表の鉄沈着もT2☆でわかる.
ビンスワンガー病も分かるので,脳ドックも悪くない.

なにか,何倍も勉強したが,記憶はドンドン消えていく.
「記憶より記録」

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