働きかた・生活改革

ずっと,気になっていた山本五十六の名言の続き

昔から,ある意味,謎だったが,山本五十六も59才で戦死した.
自分も,その年齢に達してきた.
彼は,ほんとうに最後まで筋が通っていた.
最も有名な 名言を自分なりに解釈.

やってみせ、言って聞かせて、やらせてみて、
ほめてやらねば、人は動かじ。

その1.「やってみせ」

この段階で,自分は大変.

仕事に関しては,まずまずの手術は出来るところまで行ったが,「達人」というところまでは,到達できなかった.
そういうヒトが,最後の「ひとは動かじ」までもっていけるかと言うと,無理なことになる.まあ,自分に厳しい評価をしてしまう.

自分の技術を見せるのは,意外と簡単.問題は次にくる「やらせてみせて」にかかってくる.

「自分に厳しい」をX軸,「ヒト(他人)に厳しい」をY軸とすると,多くの国,民族でたくさん分布しているような.X 軸 でも Y 軸でも最大値を示すのは,日本人となっている.もっとも自分にも他人にもユルユルなのは,ヨーロッパの国々となっている.それは,多くの民族が存在.価値観もそれぞれ.なにか指の間から,滑り落ちるほど,フランスの国会で「どうして法律制定が遅れたのか?」と議員が問いただして,「バカンスの時期だった」と大臣が返答して,「そりゃ,無理ですね」と答えて終了という場面があったらしいが,日本の国会なら,さらに大変な状況になりそう.
ということで,自分のモットーでもあるが,「ヒト(他人)にやさしく,自分にはもっと優しく」のつもりで動いている.

その2.「言って聞かせて」

これは簡単なようで,大変.
自分のモットーでもあるが,「人生で一番,簡単なことはヒトに説教すること」
これは,自分が生まれてからずっと,自分の人生の最初に近い,まだ幼稚園にも行かない時期に,単語もそれほど知らなかった時期から,直感で感じてきたこと.

実の父親をみての直感.

要はヒトに「あれをしろ,これをしろ」というのは,本当に簡単.自分は別にできなくても良いのなら,いくらでもアドバイスできる.「あなたも4回転しないとメダルが取れませんよ」とロシアのスケート選手に「言ってきかせる」ことは出来るが,どうやって,到達するかなどは,自分がスケートでまっすぐすべれるかどうかというレベルなので,言えない.
自分の父親は,「やる気があるかないか」と延々と力んでいた.
本人はそれで,アドバイスをしたつもりで悦に入っていた.
聞けば聞くほど,こちらが萎えた.
まあ,自分が小学生の頃には,「なってはいけない大人」の具体例であった.
「王者になるには王者を倒せと言うぜよ」とか,中学生の時に突然言われて,全く目の前の仕事もどれだけやっているのか全くわからないレベルなのに,突然,どっかで聞いたことを口走ってみたという感じ.
また,「資格は大事」と何回も聞いた.医師になってからも自分はいくつかの専門医の資格を取った.
あるとき「お父さんは,どれだけの資格を持っているのか」と質問したが,
全く持っていないことを,「自分の時は,なんとかかんとか」と話をして,全く答えなかった.こちらの質問には,面と向かって答えたことが無い.「資格を持っていないことを自覚したからこそ,資格は大事」と言っていたと思うが,それなら「自分は資格を取らなかったために,苦労した」あるいは,「挑戦したが,ダメだった」とか具体的な話をしないと相手に伝わらない.全力でやってもダメだった話は,非常に役立つ.ヒトが話す中でも,最も大事な内容である.一時,「失敗学」が流行っていたが,それが次の世代,後に続くヒト達の道しるべになる.
とは言っても,失敗したことから人類は学ぶが,それなら紛争,戦争は無くなりそうだが,全くその気配はない.動物としての本能は隠しきれないのが,現実であろう.

子供に面と向かって質問された時,「自分が成し遂げたこと.あるいは,やったがダメだったこと」など,具体的な事実を説明出来ないような大人にはなったらダメ.

英語の格言でも,「こちらの言ったことをしろ.こちらがしたことをするな」という趣旨のものがある.ヒトに言うのは,簡単.

小学生の頃から,別の考えも身についた.
それは,「えらそうに言うヒト,えらそうな口のききかたをするヒト」で本当にえらいヒトは見たことがないこと.まあ,自分の父親をみてから,実社会にでてさらに納得した結論.

ここでの「言って聞かせて」は,プロとして,専門職としての具体的な,忠告,道しるべのことであって,適当にその場を切り抜けるような表面的な「タワゴト」ではない.
まあ,自分の父親に厳しいのは,「ヒトに厳しい」日本人だからなのか.
ヒトには,えらそうにいろいろ言って,自分は何もしないヒトに対して腹が立っているのかわからない.

ある本にもあったが,「なにもしないヒトほど,自分は出来ると勘違いをする.」のは事実.それは,表面的なことしか見ていないこと.具体的にどの部分がどれだけ大変なかを理解できないため.「おれはまだ,全力でやっていないから」とか言い訳も普遍的.
その人達は「時間」と「成果」に関しての具体的な実感がない.
要は,努力を重ねて初めてわかる真実というものがある.
全力で努力しても,うまくいかないことはある.
その事実,現実を直視することが大事.

「言って聞かせて」の問題点は,相手が聞くつもりがあるのかが,また問題.
全く,別の話.
実力がまだ,3ランクぐらい下の人に説明しても,こちらの意図が伝わらず,かえって相手が混乱することがある.相手が聞きたいことにプラスアルファレベルが一番正しい.

まあ,こちらが「言って聞かせて」は,完全にteachingになる.
具体的なon the job training なら具体的な特別な情報なので,まずは教えられて,自分が出来るようになる.その次はヒトに教える段階が来るので,それは良い.

よく間違うのが,「人生観」の開示と「特殊な技術のコツを教える」ことを混同していること.特殊な技術集団の中では,いくらコーチングなどを学んでいても「実績の無いヒト」の意見,アドバイスは聞かない.それは,技術論,上達のコツなどを聞きたいのは,努力して成し遂げて一定以上の実績を上げたヒトからの話でないと,プロは聞く耳を持たない.

その3. 「やらせてみて」

「やらせてみせる」あるいは「若い人にしてもらう」はこちらに根性がいる.
うまくいかなかった時のリカバリ-法の習得やら,事前の訓練の仕方など,とにかく,やらせてみせるには,大変な労力がかかる.
うまくいっても,それが偶然かどうなのかも全く,わからないレベルのヒトに,
させるのは大変.後で説明しても,勉強していても,そこまで到達していない若い人も多い.自分も若いときに,出来るつもりであったが,「やらせてあげる側」になって,はじめて,「もう一度,深く勉強しなおさないと」と思ったことが何回もある.

「ほめてやらねば」

だいぶ,立場が上になってからでないと,相手も実感がわかない.

自分の場合は「感謝しないと,ヒトは動かじ」になると思うが,山本五十六は,学校の教官もしていたので,全くの素人レベルからプロになっていくヒトへの道しるべとしての言葉と思う.それも,特殊なプロを.
自分の様に,それぞれの専門資格を持ったヒト達と仕事をしていると,自分ができない部分をかなりの部分,カバーしてもらわないといけない.
「ほめる」というよりは,感謝するほうが,自分的には,良い様な気がする.
あるいは,「認める」というほうが今風であろう.

ヒトは動かじ

自分の印象では,その人自身の内因性のやる気があれば,学習を続けて,先に進んでいく.
五里霧中で一人で努力して,進むのに時間がかかるようでは,今の時代はしないと行けないことが多いので,とにかく,無理,無駄,ムラのない様に技術,知識をまとめて,Keep on moving してもらわないとこちらも困る.

話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。

なにか,大変.
そもそも,自分が一人前になっていないヒトが「若い後進のヒトを育てる」という発想を持たないとダメというのが,つらい.

「小,中,高校の義務教育」レベルでは到達できないし,不必要なアドバイスである.学校で教科書を教えるというようなレベルではない.

自分としては,「ヒトを育てる」のは,向き不向きがあると思っている.

たとえば,イチロークラスの実績があっても,彼はインタビューで,「自分は監督は絶対無理.人望が無い.」と自分を分析している.職人芸のヒトは,一代限りの技術であって,「チーム」を率いるという意味ではイチローは素晴らしい自己分析である.要は,若い人に的確なアドバイスをするという才能は,彼にはあまりないと自覚していると思われる.

個人的には,以前から,職人芸のヒトと,全体をまとめるヒト,若手の道しるべになるヒトは違うと感じていた.

脳外科の手術を極めるヒトは,間違いなく職人さん.
救急の専門医は,全体をまとめる「長屋の差配人」と思っていた.
イチローは立派だが,おそらくだが,プロ達をまとめるという「気持ち」も「意欲」も持ったことがないと感じる.よく言うのは,名プレーヤー必ずしも名監督ならずである.
自分のために努力をし続けること以外には,彼は出来なかったと思う.

その1)話し合い、耳を傾け

ここまで良く出来た上司は,ほぼ見たことが無い.
とにかく,自分もコーチングスクールに1年間通った.
しかし,相手の中に答えがあるので,それを引き出すというのは,
簡単ではない.
世間で言う「傾聴」と「共感」であろう.

山本五十六は,この格言を実行できていたということで,名提督としての評価が最後の最後まであったのだろう.
自分は,まあ歴史上の偉人の1/3ぐらいを目標にしている.

 

その2)承認し

人生の二大満足感は,「自己達成感」と他者からの「承認」「賞賛」「高い評価」である.この「承認欲求」に基づいて,多くの人が行動している.
それを「認める」ことは,大事.
よく,セリフで,「ようやく出来た」の次に「ようやく認められるようになった」等が来るのは,自然の人間の欲求であろう.

「彼に言われた」ことが,「自分の気持ちを納得させた」などが時に聞くが,
自分が認めてあげて,巣立っていって大物になっていってくれたなら,自分はそれで良いが,そこまでの大物,指導者,メンターという感じでは全くない.

「任せてやらねば」

これは,こちらの実力が試される.
「まかせて大丈夫ですか?」と良く質問される.

これは途中

 

やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

これは,自分が実ったヒトの場合だろうが,基本,自分は,皆信頼している.
「ヒトが実る」とは具体的になにを言うのか.

これは途中.

 

 

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