人間,社会人,家庭人,地域人,医師としてのセカンドライフ

真庭市の人口と自分の働き方改革について

仕事を減らすためには、仕事、ライフスタイルの棚卸しが大事。
大きな要素は
1)自分が高齢になって、集中力、気力、体力ともに低下したこと。
2)対象人口が減少したこと。

真庭市の人口2023年3月1日:42385人 まだ結構残っている。
2023年9月1日 41910人
2016年10月1日 47315人
人口減:5405人減少。丸7年間で5405人減少
年間772名ずつ減少。
これは、簡単に言えば1000人なくなって230人生まれていることを示している。最初の5年間では1000人弱生まれているが、その人達は、自分の病院には小児科がないので、それも「対象人口」減少に含まれる。
後3年で、4万人を割ることになる。
自分が赴任してきたのが2016年10月1日なので、ほぼ丸7年間。

出生数が死亡数の1/4程度。さらに最近は出生数が減少している。

対象人口が減ってきている。来院して2,3年までは高齢者は90歳以上であったが、最近は85-90歳が増えている。「超高齢者は減った」印象。
95歳以上はさすがに減った。日本の高度経済成長を支えてきた人達が表舞台から消えて行っている。

2016年にきたときは、内科系、外科系の当直で2名でまわしていたが、
結構、夜中の救急搬送があったので、当直二人とも出払って、自分が呼び出されたりで結構夜中も忙しかった。今は、救急車はとんとこなくなった。
それは2020年1月から始まるコロナの影響もある。
要は、コロナ患者のために救急車は取れなくなった時期があった。
また外来患者も受診の抑制を自分たちで行っていたから。
病院は大赤字であった。
自分の仕事の種類も大きく変わった。

今後はどうなるか。検査内容の変化がある。
1)認知症の検査依頼がものすごく増えた。
2)くも膜下出血で年齢、アレルギーなど考慮しなければ、手術の適応だったが、「本人が絶対しない」など。90歳近い人達で認知症も無い人達の「手術はしない」という決意のヒトが散見されるようになった。
3)高齢者で脳卒中で、これを機に寝たきりにというヒトが増えた。
もう胃瘻はお約束に近くなってきている。どうするか。
3)施設からの紹介がふえて、なんとか施設に帰すのが病院の役割の印象となった。
施設から来て、施設へ帰す。
4)人口減少にあわせて、病院も172床から、届け出は160床。
稼動ベッド数は120床に減った。
人口減少にあわせて、ベッド数も縮小。
   ところで、仕事は種類も量も多い。

人口が減っても仕事が減らない理由は「医師の数も減っているため」である。
この7年間で8個は閉院した。
病院:50床の病院 もう一つの病院
近くの2医院閉鎖
他の耳鼻科の医院、内科医院、来年3月にはまた別のT医院。
パッと思いつくだけで、県北遠くの医院も高齢で閉院。
県北の遠くの医院の先生は89歳までやっていたような。
後は75歳ぐらいで終活として、店じまいをしている。
人口減にあわせて患者減少。
それにあわせて開業医も勤務医も高齢化で店じまいである。
ということで、人口比に対する医師の比率はむしろ減っており、
一人当たりの残存医師に対する
患者数は「人口減にもかかわらず増えている」ということになる。

自分の仕事の一番面倒なことは、書類書きである。
書類の種類
1)入院患者:診療情報提供書
(転院先、転院入所施設担当医、こちらから上位病院に紹介)
2)交通事故の後遺症診断書
3)外来患者:外来紹介患者の紹介状の返事
(入院患者の加療後の経過報告書は(1)になる)
4)サマリー
5)介護保険主治医意見書
6)訪問看護、デイサービスのなどの指示書
7)身体障害者、精神障害者などの認定書類
8)裁判の鑑定書、意見書
9)産業医としての面接の記録

パッと思いつくだけで上記ぐらいが毎日ふりかかってくる。
これらは、おそらくだが診療の時間内にすませるのかどうか。
簡単なものなら、とにかく「一つでも質を落として速くすます」ようにしている。
相手があるものは、一応、丁寧度はあがる。
よくあるミスは、電カル上では読み直して問題ないと思っても、
印刷して、読み直すと「テニオハ」や同じ単語が二回出ていたりと,結構間違いは多い。
その理由は「後ろから光が当たっている状態、すなわち電カルのモニターなどでは、文字は記号、絵、模様として脳に入ってくる、それを脳内にて文字に理解する」というステップを踏む。それでは時間が足らない。

「紙にプリントアウトして光を前からあてる、様は間接照明で紙に当てると、人間は文字を文字として理解する」という特徴があるためである。要は文字を読むか読まないかの違いである。
要は「電カル上のモニターでは良いだろうと一瞬、思った文字が模様にみえてしまい理解力が落ちるため」と言われている。
相手があるときの文章は、印刷して自己添削するようにしている。
患者本人を診察、処置したりするよりもずっと大変である。
一つ済めば★を毎日つけていく。

解決できそうな問題
その1)入院して加療して退院して当院に通ってくる患者さんで、薬を一つ追加した程度のヒトの場合は、非常勤の医師にお願いする。
決めておくこと:
「なにか,問題があれば私が診ます」の一言を記載しておくこと。
これがないと、患者、患者家族が不安になる。
2023年9月からはこの方針にした。慢性硬膜下血腫などは3,4週間に一回なので、別に誰がみても同じであろう。

その2)外来でMRI検査などが必要な場合、症状などから、全く問題ないことがわかるヒトは、自分の外来ではない日にMRIの検査予約を入れる。
そして別の医師に説明してもらう。
予約票には、必要なら「問題があれば私が診察、説明します」という一筆を入れておく。初診のヒトは診察医は誰でも良いので、そのように誘導する。そもそも、専門病院でも何でもない地域の病院なので、自分も変なプライドをもたないこと。

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