その時間に忙しくなると中止になる.
毎週やっていたのが,今は月に一回になっている.
なんとか時間を作って出来た
症例1 10歳台 帽状腱膜下血腫
子供の頭皮は柔らかい.
高齢の禿頭のおじいさんの頭皮はガチガチに硬い.
その違いがでる.
朝起床時に頭皮がブヨブヨすると来院.
頭皮下血腫なのか,腱膜下血腫なのか?
ブヨブヨするところが,あるところで突然止まっている.
局麻をしてみると皮下に刺さっても,血腫液の逆流がない.
さらに一層,突き刺したら血腫液が帰って来た.
帽状腱膜下血腫と判明.
前方は冠状縫合まで,横は上側頭線まで.
局麻後に16ゲージサーフローで血腫液排液,
2日目に20ml 排液,圧迫包帯を巻いた.
さらに28ml 排液.
圧迫包帯.
その後,漸く癒着して終了.
最後の4回目の血液は時間が経過した,やや黄色みを帯びた血腫液であった.
一般的には,溶解していない血腫成分が順番に解けてくるので,
ドレーンを入れて軽い陰圧で吸引して,入院しても2,3日かかる.
慌てる必要は全くない.
毎回,外来で処置をして,無事終了.
研修医からの質問.「そのまま,様子をみていたらどうなるか」
自然に吸収されるだろうが,「溶解しきったところで,増大がそれほどでも無ければ,1回で吸引,圧迫包帯」で終了する.
時間がかかりすぎるのは良くない.
帽状腱膜下血腫は,帽状腱膜と骨膜の間の粗な結合組織内に伸展して出来る.
あまりの量になれば顔面圧迫など色々と症状がでる.
以前,一回の吸引で250 ml 排液できた子供さんがいた.
その子も3回吸引して終了した.
症例2 60歳台 ESUSからのTakotubo 発症例
最初は,軽度の右上下肢不全麻痺,両側の多発微小梗塞あり.心原性,
動動脈源性のどちらかであろう.
ところで,ESUSと言う以前にも書いた原因不明というか決定的な原因が不明の脳梗塞がある.全体の25%が原因不明らしい.
危険因子が沢山あった.脳MRA(MR脳血管撮影)で,結局,左ACAが途絶した.
シロスタゾールを内服すると,起きる副作用は,頭痛と頻脈だが,それはレセプターが心臓と脳の血管にあり,50mgの時は症状がでないのを確認して100mgに増量するが,その時に頭痛が出たり,頻脈になったりする.
脳梗塞自体のストレスで,時にたこつぼ型心筋症になる.心電図も心筋梗塞に類似.治療法は,自分の印象では特に無い.心不全対策,不整脈対策などであろう.
なぜ,「たこつぼ」なのかは,心尖部が収縮しないで上の方が収縮するので,「たこつぼ」の形に似ているから.壁運動異常.
7:1ぐらいで女性に多い.
症例3 80歳台 外傷性SAHからの亜急性硬膜下血腫
高齢者に多いのは,転倒.それによる大腿骨頸部骨折など.
それと,脳と骨の間の架橋静脈が回転加速度で切れる慢性硬膜下血腫.
今回は,前回の転倒で胸椎下部の圧迫骨折.
それに続いての後方の転倒して,後頭部打撲.
良く出てくる「対側損傷 contre-coup」で前頭葉底面の脳挫傷.
嗅溝のところにCTで血腫がある.においが分かるかどうか.
3日後のMRIで前頭葉底面のSAH,脳挫傷はwash outされており,
その代わりに両側に薄い血液の混じった硬膜下血腫が出来つつアリ.
3日目にすでに出来ていくのなら,段々と一か月後には,
大きな慢性硬膜下血腫になりますかと言う質問.
意外と,途中から吸収,消失してしまう例も多い.
この症例も1週間後のCTでは,両側とも吸収,消失していた.
アドナ,五苓散の普及のたまものか,自然治癒なのか.
おそらく,二重盲検などは,今更出来ないであろう.
アドナに関しても,脳出血に効果があるかどうか,
いまさら臨床治験はできないと,脳卒中ガイドラインにも記載がある.
まあ,定期的に画像検査をすることは,大事な事である.
症例4 30歳台 脳脊髄液減少症
これは以前に提示