最近、また時間管理術の本を読んだり、Audibleで聞いたりしているが、
以前とは、全く異なる印象を受ける。
そもそも、時間管理術の本などのターゲットは誰なのかと言う問題がある。
1.従来の時間管理術のターゲット
仕事のキャリアとしては、「忙しいヒト、これから、資格もとって技術も身につけて」と年齢としては「20歳から45歳、せいぜい50歳ぐらいまで」。印象としては、一般の会社なら、新社会人から部長ぐらいまでが主なターゲットである。対象を決めるというのをペルソナの設定などというらしい。米国の場合、オバマ大統領は47歳で大統領になった。ブッシュの息子のほうは44歳で大統領になった。ということだが、トランプさんは78歳7ヶ月で大統領に再就任するらしいが、自分自身が一生懸命働いていたときは45歳から52歳ぐらいがピークだった。今の年齢から振り返ってみたら、あれもこれも用事があり苦しかった。子供の行事、旅行なども大変であった。それが今の今、仕事は大分へったのかどうか。結局夜になんとか書類を書くようになった。
要は、人間として、
1)社会人前の教育期、学生、生徒時代。
2)社会人としての新人から成長期、一般会社なら主任、係長クラスか。
3)社会活動としての成熟期、一般会社なら課長、部長、役員クラスまでか。
さらには理事、名誉〇〇、取締役などでしばらく働く時期まで。
4)最後の職務を全うする完成期:一回引退するまでの時期:社会活動は、最初のキャリアは終わりつつある。徐々にセカンドキャリア、一般会社なら再雇用になるかどうかの時期。野球選手なら引退してコーチ、解説者などになる時期。
医師としてなら、大学教授が引退して他の病院の院長になったり、
オオヤケの病院の院長から、わたくし立の病院の特任院長などになったりするのは
62歳から65歳。その直前まで時期であろう。
5)セカンドキャリア、再雇用などで働く時期、それが終わるまでの期間。
今までのtime managementは1)から3)が対象であろう。4)の時期までには、本人なりのメソッドは確立しているであろう。すでに人の上にたって、リーダーシップを発揮して、一息いれたところであろう。
一般の本で、記載されている時間管理術は精々3)までの時期なのは、ある意味当然である。それは、「部長、役員、取締役」などになるための時間、行動の管理術なので、
4)の時期の大学教授、社長などなら、メインの仕事が忙しいので管理術などの本を読んだりする必要はない。そこまでに到達出来る人達が無策である可能性は全くない。
その後のことまでは自分の行く末も考えないといけないので、管理術を研究しているひとからのインタビューを受けたりして、成功した秘訣を執筆されると言う感じのよう。
5)のセカンドキャリアになっている人には、対象になっていないということになりそう。
要は、再雇用などの人には、特殊な技術、知識、人的なコネなどがすでに確立しており、
それらを社会がまだ必要としているのであって、夜中までばりばり雑用をこなしてもらうなどは初めから期待されていない。それでも仕事は多い。
2.60歳以上でも今は働かないといけない。
その理由は、財政的、経済的理由、寿命が延びた、社会的要請などたくさんある。しかし20歳から50歳までの社会人としての働きかたと、60歳こえての理事、役員などから退職しての再雇用などでは、働きかたは従来の、要は1stキャリアとは全く違う。私生活も「結婚、子育て」などから、親の介護など対象が異なってくる。後は、両親がなくなっての遺産相続など法的な問題もでてくる。しないといけないことに「時間管理術」は入ってこなくなる様な印象を受ける。全体のマネジメント能力と、人生の最後の終活である。
3.セカンドキャリアにむけた時間管理術はあるのか。
ほとんど、みたことがない。いつのまにやら60代になって、ふと気がついた。様々なテクニックを用いて今までやってきたことは、そのままセカンドキャリアを送るヒトに適応できるのか考えないといけない。セカンドキャリアなら、実績を上げなくても良いわけではないが、すでに蓄積した実績があるので、いまさら感が漂う。期待されている内容が異なる印象。病院なら「院長」にもとめられる資質と「初期研修医から専攻医」に求められる資質はことなるのは当たり前なので、時間管理術の内容も異なってくるのは、ある意味当然である。一番の違いは年齢である。それに伴う周囲の環境の変化である。
4.60歳代とそれまでの年齢層のヒト達との違い。
(1)体力、筋力
これが一番であろう。良く聞く言葉は「無理がきかなくなった」である。
(2)記憶力
落ちてきている。自分も外来で投薬しないといけない薬が、なかなか出てこない。
(3)社会的立場
20歳代、30歳代のヒト達とは大きく異なる。その頃は部下である。60歳以上は、少なくとも上司である。部長以上あるいは役員。さらにはセカンドキャリアをはじめたところあたりか。
(4)朝速くからバリバリ働けるなくなる。起きるのがしんどい。
(5)それでも仕事量が多い。
セカンドキャリア向けの時間管理術を考えていく。