認知症専門医試験資料

意味性認知症と進行性非流暢性失語症

意味性認知症 (Semantic Dementia)

前頭側頭型認知症の一つだが,内容,病理とも別物に近い.
側頭葉の萎縮があるので,そう呼ばれているような.
だいぶ,特徴が異なる.
脳病理は封入体はFTLD-TDP-43 type C
蓄積蛋白もPicK病の「3」repeat tauではない.

MRIでは非対称で,通常は左側頭葉の下側頭回の萎縮
海馬の萎縮は,あまりない.
頭頂葉障害もない.

症状は,物品呼称ができない.親密度の低いものほど顕著.
再認障害あり.
正しい名称を与えても,「~って何?」と聞きかえす.
単語理解の障害が中核症状.
発語は流暢.これはPNFAと違っている.
復唱正常

特定疾病の一つ.
BvFTDと意味性認知症(SD)の二つがなっている.
他にも,PD, PSP, CBDとなっている.
特定疾患になっていない認知症は,アルツハイマー,血管性認知症がメイン.

進行性非流暢性失語症
(Progressive non-fluent aphasia: PNFA)

前頭側頭型認知症にはいっているが,初期症状も異なるし,あまりピンと来ない.
失語が初発症状
言語障害が顕著.
日常生活障害の主要要因
エピソード記憶,視覚性記憶,視空間失認などは認めない.
初期の行動異常もなし.

萎縮の部位は,左前頭葉後部から島にかけて.

※FTLDの行動異常にはSSRIを用いる.

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