認知症専門医試験資料

認知症試験用 レビー小体型認知症

2021年3月21日 試験に出るデータのみまとめた.
1)4大認知症の一つ.
アルツハイマ-,血管性,次にDLBが来て,次にFTDがくる.

DLBは幾つかアルツハイマーとは異なる特徴あり.

1.症状 疫学
70才台に多い.男女差不明,差は無い?
対照的にはFTDは若年,50才台とあり.

初期の症状は,
(1)著明な記憶障害は認めなくても良い.
遅延再生は保たれている.「置き忘れ」はあまりない.
(2)注意,遂行機能低下,視空間認知症がでる.
(3)頻回の転倒,便秘嗅覚異常抑うつ
※抗精神病薬過敏性→悪性症候群

中核症状:意識の変容,あるいは認知の変動
これはなにか? 注意や明晰さが変化する.
繰り返される構築した具体的な「幻視」.80%にみられる.
RBM:レム睡眠行動異常症.認知機能低下の5年前にはでるとも.76%に出る.特異度高い.四肢をばたつかせる.大声を上げる.
レム睡眠時に,正常に認められるatonia がない.要は,筋弛緩が無い.

これに使う薬はクロナゼパム(ランドセン)が効く.
少量眠前投与.0.25mgから1.5mgまで.

パーキンソン症候群:85%にみられる.
これには薬が必要.動作緩慢,寡動,静止時振戦,筋強剛.
薬:L-DOPA,ゾニサミド(エクセグラン)

2.診断
症状はも特徴的だが,バイオマーカーがあるので,質問にでる.
指標的(indicative)バイオマーカー」と
支持的(supportive)マーカー」の違いあり.
1)「指標的(indicative)バイオマーカー」
MIBGシンチ,DAT scanの二つ.
DAT: dopamine transporter
試験にでるのは,DAT scanで線条体での取り込み低下,MIBGシンチでも心臓での取り込み低下.要は,この二つが低下するのは,試験レベルではこれのみ.

※ MIBG心筋シンチは,交感神経集積を診ている.それが落ちるのが集積低下として画像でである.
他に下がるのはDM,純粋自律神経不全.これらはDAT scanは下がらない.
※パーキンソン病(PD)では両方低下する.
しかし認知症試験ではPDは出ない.
部分的にはPDに似る.それにdementia がつく
PDD(PD with dementia)も鑑別にはなるが,
そのことを詳しく聞くよりも,DLBのユニークな所を聞かれる問題ばかり.

※正常は,PSP,CBD,本態性振戦,VDからのパーキンソン症候群

鑑別診断で必ず.CBD(大脳皮質基底核変性症)では,基底核の変性でDAT scanでは低下.しかしMIBGシンチでは低下しない.

PSPでもDAT scanは多くの例では低下する.
良く聞かれるのは,
DLBとCBDの鑑別診断.
CBDでは DAT scanは下がるが,MIBG心筋シンチは横ばい.
またアルツイマー(AD)との鑑別でも聞かれるが,アルツではDAT scanでも低下せず,MIBGシンチでも低下しない.
要は,二つ落ちるのがDLBで,一つ落ちるのはCBD, 全く落ちないのはADとなる.
正常人も落ちないが,当たり前.

問題は,3個目の「指標的(indicative)バイオマーカー」は,
文章長い:「睡眠ポリグラフ検査」で「筋緊張低下を伴わない」レム睡眠を確認すること.
要はatonicにならないと正常のREM睡眠ではないRBDを確認すること..
夢の状態にあわせて,動いたり,大声を上げたりする.暴れて大声で周りがびっくりする.

要はREM睡眠は「急速眼球運動」が起きることと「骨格筋の活動が低下」「身体の力が抜けいる」するのが特徴.
「脳は起きて,身体の筋肉は休む」状態.
この時は自律神経系が不安定.レム睡眠の時間は睡眠全体の20%をしめる.
脳は起きているが,身体が休んでいるのがレム睡眠だが,身体も動かして休まないのが,
レム睡眠行動異常症.RBD(REM sleep Behavior disorder)
LBDにはRBDあり.日本語はどちらも「レ」からはじまる.

画像所見の特徴:
1)CT,MRIは,側頭葉内側,海馬(比較的)は保たれる.
これは良くでる文章.
2)脳血流SPECT:「支持的(supportive)マーカー」の一つ.  後頭葉の血流低下.
毎回聞かれるのは「後頭葉の血流低下」.
代謝も下がっている.
これが幻視の理由.

FDG-PETでは,後頭葉の活性低下なので取り込み低下.
有名な「cingulate island sign」で血流,代謝の維持がある.
後部帯状回(posterior cingulate   は相対的に血流がおおくみえる.

3)病理
DLBはαーシヌクレイン蓄積,が脊髄から延髄,橋へと上がってくる.
迷走神経背側核,青斑核,黒質.要は脳幹に蓄積.
アルファは必ず付くが,「シヌクレイン」はそれだけで良い.
ベータなどはでない.

4)投薬
ドネペジル:唯一保険適応あり.
ほかのリバスチグミン,ガランタミン,メマンチンは使われるが,これは聞かれることはない.
BPSDに対する薬:
ドネペジル;幻覚,認知変動などに効く.
抑肝散:幻覚,妄想,※低カリウム血症 よく出る.
ハロペリドール(セレネース)は使わない.PD増悪.
クエチアピンは比較的錐体路症状を出さない.DLBに使う.
RBDにはクロナゼパム(ランドセン)を使う.
クエチアピン,オランザピン(ジプレキサ),アリピプラゾール(エビリファイ)を使う.

非薬物療法:興奮のきっかけを取り除く,
幻視には,話題を変える.否定しない.
部屋を明るくする.

 

 

 

関連記事

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください