認知症専門医試験資料

認知症専門医移行試験の前日のリストと結果

7月17日に少し足らないところを追加した.
病理ででてきる細胞:
CBD,  ballooned neuron 大脳皮質,これはpick病でもある.非特異
これは,変性した結果なので非特異的.

glial coiled body:オリゴデンドロサイト細胞内,突起にたまるタウ蛋白は
PSP,CBDなど非特異的.

CBD:左右非対称の錐体外路症状,ミオクローヌス,認知症としては,遂行機能低下などbvFTDに似ている部分あり.

Aβオリゴマーは凝集したAβフィブリルよりも神経毒性が強い.
APPがβクレターゼ(BACE1),γセクレターゼで分解されてAβ出来る.
Aβ分解酵素は,ネプリライシン インスリン分解酵素

ALSとFTDは病理も近い.
skein-like inclusionはALSの下位運動ニューロン内のTDP-43を成分とする.
skeinは糸巻きの意味.糸くずみたいに丸くみえる.
SDと同じ.semantic dementiaと同じTDP-43

glial cytoplasmic inclusion: アルファシヌクレイン MSA
ほかには,TDP-43蛋白のものもあり,タウとは関係ない.

FTDの常同性,行動に対する唯一の薬はSSRI.

下記の問題集から出ると言うお話でした.

前回わからなかった観念失行と観念運動失行の違いもわかった.
観念失行はリモコンが使えない.
観念運動失行は敬礼のまねができない.言われたものは出来ないが,自分では出来るなど,一体なにを説明しているのか意味不明.
前の教科書,問題集の解説をみても意味が不明であった.
要は,「観念」の中枢と,「行動」の中枢があると言うこと.
英語では観念失行は「ideational apraxia」でである.
発音は「アディエーショナル」と聞こえる.
要は,アイデア,発想自体が無くなることを意味する.
だから,「TVのリモコン」を初めて見た人が,これは何するもの?
自分でもそれでビデオを見るときは,どこを押して,次はどれに行って
さらに予告の録画はどことどこを押してなどの知識もやり方も,普通は初めてみたリモコンでは説明なしには困難で有ることが多い.同じボタンでも長押しで機能がかわったりは,知識,概念,発想自体がないと,いわゆるチンプンカンプンな状態は当たり前.
要は,「概念」「観念」「発想」自体が無くなって,いわゆる「道具」が使えないのが
「観念失行」.
初めて見た器械を使えないのは当たり前だが,今までの器具が,生まれて初めてみた器具に見えたら,それは使えないのは当たり前.
「観念」自体の中枢の機能低下で起きる症状.単語としては「観念」よりも「概念」の方がわかりやすい印象.
楽器を弾いたり,ダンスをしたりも,最初は全く出来ないのが普通.
サックスを初めて目の前に出されて,何の説明もなしに音階を全部出せるヒトなどいないのが普通.くちびるの形,持ち方,運指など説明を聞くことなしにマスターできるヒトはゼロであろう.そんな大げさなものではなくて「日常使っている道具,デバイス」が使えなくなるのが「観念失行」であると覚えるとわかりやすい.

もう一方の「観念運動失行」は英語では「ideomotor apraxia」である.
要は,「観念」の中枢と「行動」すなわち運動の中枢の二つがかみ合っていないと起きる.
単純に言えば,正しく運動の内容,様式,仕草は理解は出来る.観念としては正しく脳の中に入っている.それを言葉で言われたら,普通はその通りに出来る.
しかし「行動」の中枢への神経回路の障害が起きると,中途半端な動きになって,きれいに出来ない.それは,たとえば小脳失調の検査の時の「両上肢の回内・回外運動」を患者さんにみせて,同じようにやって下さいというと「阿波踊り」のような仕草になる.
これは「しないといけない行動の観念」は正しいが「行動中枢には誤った動きをするように伝わる」と正確には出来なくなることの症状である.要は「失行」状態になる.
そこで次の「自分でなにげにするときは出来る」の文章が出てくる.
それは,行動中枢自体は壊れていないので,自発的には正しい行動と仕草になってヒトからはみられると言う意味.それを「言われたこと,言われたようには出来ないが,自分からなら出来る」と説明をされると意味不明になる.要は,「敬礼のまねをして下さい.うちわで顔に風を送る,金槌で釘を打つまねをしてください」と言われると,なるほどと理解はできるが,思うようにできない,手が思い通りに動かない.違った動きになる」ということ.
それは決して,麻痺や筋力低下があって上肢が動かないと言う意味では無い.

「観念運動失行」のほうは,「感覚性失語」と「運動性失語」の違いに近い.「理解は出来るがうまく言葉がでない」ということがWernickeとBrocaの間が障害を受けると起きると言うのに近い.

直前まで,前回の学会専門医試験の後にわからなかった部分をさらに読み込んだ.
2008年出版の学会推奨の教科書は,わかりにくかった.
それよりも,下記の本が「圧倒的に」優れていた.
全部読んどいて損はなかった.

7月18日の試験,広島まで日帰り.予定通りにオカヤマから乗って広島が最終駅ののぞみに乗った.岡山駅から乗る人は,数人.自由席もガラガラであった.
50問60分.まあ前日も読み込んで,当日も会場で試験までの空いた時間に問題集を読み込んだ.
移行試験なので,上記の問題集から問題がでた.
ほぼ全問,同じ.
記載の順番が異なったり,二つの問題が一つになったりしていたが,
正解が分かれるようなことはない.

多くの受験生が感じたであろうが,自分もおそらく満点と思う.
時間は前回,足らないぐらいだったので,一気にやっていったが,
開始20分で出て行った人がいたのには驚いた.
自分は30分かかった.あとは見直して時間がくるのを待った.
人生最後の専門医試験も,これにて終了.
満点で終われて本当におめでたい気分でした.

エピローグ:自分の勤めている病院の整形外科の先生が,やめる前にリハビリの専門医を取って辞めた.その後,リハビリ学会の専門医を取っていると認知症学会の専門医も取れるので,彼はそれを自分と同時期に受験.当日も会場で話をして,試験終了後には広島駅の駅ビルでコーヒーでも飲みましょうとなったが,スタバは行列ができてすぐには入れない.
駅ビル内も「若い人達」で一杯.皆,マスクはしているが,自分の印象では「密」も良いところ.真庭の田舎では一度も見たことの無い光景.「都会はすごいなぁ」と感動した.
今後の医師人生のセカンドキャリアに関してのお話を,志しというか考えが似ていたので,色々とお話をして,たのしい時間であった.

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