医療関係

今になって,デジタル脳波の所見付けのお勉強

2018年4月から,脳外科常勤ひとりになって,というか神経系は自分一人しかいないので,脳波の所見付けが回ってくる.
お勉強しなおし.

1) 電極の位置

基本の電極と位置から.
しばらくぶりなので,
A1が左耳朶(じだ),
A2が右耳朶と忘れていたぐらい久しぶり.
電極の番号は奇数が左半球,偶数が右半球.
小文字のzは正中線上のもの.10-20法の基本.

Fz,  Cz, Pzは,正中線の前頭部,中央,頭頂部のいみ.
F3, C3, P3などは全部左脳.
要は電極の番号で言うと,奇数は左,偶数は右脳
これが基本

2)取り方パターンは4個が基本.導出法はモンタージュと呼ぶ

まあ,取り方をモンタージュと呼んで,別の取り方の結果が,リモンタージュと呼ぶような.
取り方は(1)両側「耳朶」と頭皮の電極との誘導,右と左
奇数番号同士の左側と偶数番号同士が右脳の誘導.
最初は,左,右,左,右となっている.
(2)同一半球の縦の双極誘導

(3)同一半球の横の双極誘導

(4)縦横のあわせた誘導.

まあ,全部の誘導で「てんかん源」がわかれば,それで良いが.
自分のレベルでは,そこまでわかれば十分.

3)デジタル脳波の見方,所見の付け方

これは,自分が昔みていた「紙にでた脳波とは別物」であると最近になってようやくわかった.まず画面は,当たり前だがデジタルである.以前のインク切れやかすれなどは全くない.デジタルの信号を数字に変えて画面に出しているので,そのようなことは全く起きない.
右上にある矢印は10秒ごとに動く,1秒ごとに動く,自然に全体が動くモノなど
左側にはツールがいくつかある.それらが全く最初はわからなかった.
なにか勉強する本がないと,全くわからなかった.
そこで,下記の本を購入した.

この本は,非常に役立つ,ソフトの使い方が初めてわかった.
今の日本では今は脳波計は日本光電ともう一社しかない.
ソフトは共通であろう.
ソフトの使い方が初めてわかった.
この本はほんとによく出来ている.

と言うことで,ようやく,「デジタル脳波」の画面上の見方,分析の仕方がわかった.
そして所見の付け方は,また別なので.その勉強が必要.

というか,自分は「てんかん」かどうかの検査依頼しかない.

てんかんの棘波,棘徐波複合など典型的な所見があれば,それで良いがなかなかわからない.

てんかん脳波の勉強,さらに言えば意識消失,高齢者のてんかん発作の勉強だけ出来ればそれで良い.

脳波の勉強をしていて,睡眠でパターンが変わるなどはよくわかる.
以前から,脳波が自分に合わない印象があった.
その理由.
CT,MRIは空間認識そのもの.さらに画像上所見があれば,それは「症状」を予想させる.
その予想は,まず正解で3か月,半年後の予後もほとんどわかる.

しかし,脳波は,高次機能の程度を見るというよりは,原始的な細胞集団の電気的活動をみている.異常がでてもそれは電気的な活動の異常で「別のことを考えている」などの高次機能を意味する訳では無い.
しかも「時間的な変化」を追いかけている.

だいぶ,慣れてきたが,画面の左端をみることと,画面上で動く誘導方法の表示をみたら,
どの部位からどんな脳波がでているかがわかる.
まずは,下向きを陽性波,上向きを陰性波と呼ぶとは知らなかった.
30年前の知識と今の最新の脳波の表現力のギャップをお勉強していっている最中.

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