最近,勉強したこと.
世の中には,種々の障害を持つヒトもいるし,途中で障害になるヒトもいる.
日本では,「三大障害」と呼ばれている.
この年になるまで,余り縁が無かったものがある.
自分は技術立国日本を個人で再現というか,そういう努力をしていたので,これらのお勉強,知識は通り一遍であった.手術技術,検査手技などを脳外科医は上達をめざす.
もちろん,疾患そのものの後遺症なども知識としては習得していく
1)身体障害
脳外科方面では,「身体障害」が一番みる頻度が高い. 脳卒中後に半身麻痺,失語などはよくあるし,書類も良く書いた.これは,「後遺症」なので,脳卒中,頭部外傷になる前は「存在」していない.
もともと,先天的に身体障害を持っている場合もある.一番わかりやすいのは「盲目,難聴」などである.それでも,自分にとっては類推は容易に可能.
2)精神障害
次が「精神障害」でこれも脳挫傷後などに,ある意味,後遺症で生じる.
しかし精神症状に関しては,精神科専門医の資格がないとその書類は書けない.
以前の病院では,自分が下書きを書いて,精神科医師にチェックしてもらう様にしていた.
注意転換障害など,「脳高次機能障害」は結構みるが,うつ状態.統合失調症様の症状にも多くの患者さんがなった.もっと他の精神障害はあるが,脳外科にはある一部分しか相談されることはない.
3)知的障害
脳外科医師には,あまり縁がない「障害」には,「知的障害」がある.
要は,脳挫傷,脳卒中などでは説明がつかない分野である.
要は,定義自体が「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」なので,
脳外科領域の疾患とは別のもの.ある意味「正常に発達したヒトの知能が低下することを認知症」と呼ぶのと好一対.要は「通常の知能まで到達しない」状態.
脳卒中,頭部外傷の後遺症では「出てこない」障害である.
自分に取って困るのは,知的障害の子供さん,知的障害のまま大人になったヒトでも,脳卒中,頭部外傷など脳外科疾患になることがあるということ.
そこで評価が困るのは,脳出血後の症候性てんかんで反応が低下しているのか,もともと「軽度知的障害」があって応答が遅く正答になっていないのか判別困難な状況に出くわすこと.自分は「そわそわ」しているのをSMA(補足運動野)領域のてんかんと解釈していたら,その後,「軽度知的障害」と20年以上前に診断がついていたヒトがいた.本人は申請するだけの気配り? 知能がない.母親も全くこちらに教えてくれる心づもりもない.
MSWに以前の病院からの情報が入って,初めて何もかもが腑に落ちた.腹におちた.
その中で,初めてわかったこと.
「知的障害」のヒトも,脳の疾患にもなると言うことが,今更ながらわかった.
勉強になった.実は,今までも自分は多くの「知的障害」の脳疾患のヒト達をみた経験がある.しかし,それは,はじめから「知的障害がある」とカルテなどに記載があった.
脳外科疾患になって脳外科で手術をして後遺症もあって,その後遺症と考えていた疾患が実は「軽度知的障害」であったという症例は初めてであった.
奥が深い.勉強になった.
しかし,「軽度知的障害」は「既往歴」なのかどうなのか.
脳外科の疾患の治療を請け負う前には,必須の情報と判明.
しかし,ご家族にとっては「秘匿情報」となっていることもある.
なかなか,奥が深い.