予定の火曜日が授業がはいったので,替わりに木曜日にしました.
6月はあまり出来て居ないので大変.
途中で一回やった記憶があるが,覚えていない.
ところで,「代」と「台」の使い分けが自分も分からなかった.
年齢に関して言えば,
「才」がつけば「〇〇才台」「△△歳台」が正しい.
直接に数字が入れば,「二十代」と「代」が正しい.
どうも理屈がいくつもある様だが,それぞれ使い分けがあるような.
詳しいことは本題とはずれるので割愛.
多発脳塞栓で原因が不明な例
症例1 60才台 右後頭葉中心の微小複数脳塞栓
これは,知っておいた方が良い解剖がある.
後大脳動脈からの枝.
一般にP1といわれる部分は後大脳動脈起始部からPcomA,
後交通動脈が前から合流してくる部分まで.
そこで,視床穿通動脈というものがある.
要は,視床の栄養はどこからかと言うこと.
後交通動脈から前視床穿通動脈がでる.
Pcomからant. thalamoperforating a.
その後ろの,P1から後視床穿通動脈が出る.
要は視床の栄養はPcomAとPCAから来ているということ.
心臓,大動脈,頚部血管に全く異常所見の無い人が,
PCA領域に多発脳塞栓.
原因は結局不明なことも多い.
しかし多発脳塞栓でも,血流の速いところ,
要は動脈源性脳塞栓になれば,抗血小板剤の適応になる.
症例2 70才台 進行性脳梗塞
朝起きたら,左手が動きにくい.散歩には行けた.
脳MRIは予想外の小脳中部の小さなラクナ梗塞.
画像と症状が合わない.
バイアスピリンで一旦帰宅.
夜に左手のお茶碗が落ちたとのことで,夜に再診.
MRIでMCA領域の脳表近くに2,3個の数mmのラクナ?梗塞がある.
翌日の朝,diffusion画像3方向を再検したら,
数カ所MCA領域に梗塞がある.
徐々に進行していったもの.
抗血小板剤の加療になる.
いわゆる「progressing stroke」と呼ばれるもの.
脳塞栓よりは,ラクナ梗塞,アテローム血栓性脳梗塞に多いとされる.
脱水などで,デコボコの微小血管が詰まったり,流れたりしながら,
最終的には数カ所は詰まるという状態が一番画像と症状が合致してわかりやすい.
似たような言葉でTIAを繰り返していて,最後に脳梗塞になる
切迫脳卒中(impending stroke)というものがある.
これは,脳梗塞になるもう一つ手前の状態.